ラウンド中の「それ、言っていい?」を解消します。ゴルフ規則では、クラブ選択や打ち方などに関する助言(アドバイス)を与えたり求めたりすることは原則NG。一方、距離・風向き・ハザード位置・規則の説明などの一般情報はOKです。この記事では、OK/NGの境界、同伴者・キャディ・外部者との会話の扱い、違反時のペナルティ、現場で使える言い換え例までを、初心者向けに整理します。
目次
基本の考え方|“助言”はNG、“情報”はOK
助言(NG)は、クラブ選択・ストローク方法・プレー線(狙い方)に影響を与える提案や指示のこと。
一方の情報(OK)は、距離・風・ハザードの位置・ローカルルール・規則の説明などの客観的事実です。
迷ったら「その発言は相手の番手や打ち方を直接指示していないか?」で判断しましょう。
誰とならOK?|同伴者・パートナー・キャディ・外部者
やり取りの相手で扱いが変わります。あなた自身のキャディ(またはパートナー/そのキャディ)からの助言はOKですが、それ以外(同伴競技者や観客など)との助言のやり取りはNGです。
※日本の一般営業では1名のキャディが同組全員を担当する運用が多く、その場合は各プレーヤーのキャディとして助言可能です。
- 自分のキャディ:助言OK(ライン・番手・戦略など)。
- パートナー(フォアボール等)/そのキャディ:助言OK。
- 同伴競技者(ふつうのストロークプレーでの“友人”):助言NG(情報のみOK)。
- 観客・コース係員・他組:助言NG/情報の提供はOK。
OK/NG早見表(実務で迷わない)
| 言動 | OK/NG | 理由・補足 |
|---|---|---|
| 「グリーンまで145ヤードです」 | OK | 距離=情報。助言ではない |
| 「7番で届くよ」 | NG | 番手の推奨=助言 |
| 「右サイドに池(赤杭)が続きます」 | OK | ハザード位置=情報 |
| 「安全に左狙いがいいよ」 | NG | 狙いの指示=助言 |
| 「ローカルに“前進4打”があります」 | OK | 規則・ローカルの説明=情報 |
| 「この打ち方なら出ますよ」 | NG | ストローク方法の指示=助言 |
| パットの距離を数値で共有 | OK | 情報。ラインや強さの指示は助言になる |
現場で使える言い換え例(OKに寄せる言い方)
同伴者に配慮しながら、ルール違反なくサポートするには言い方がポイントです。
- NG:「7番で打てば?」 → OK:「ここから150ヤードくらいです」
- NG:「右はOB、左が安全」 → OK:「右に白杭(OB)、左はフェアウェイが広いですね」
- NG:「強めにまっすぐ」 → OK:「上りです。距離感に注意」
- NG:「その打ち方がいい」 → OK:「バンカーまで120ヤードです」
距離計・ヤーデージブック・端末の扱い
距離計(DMD)やカート端末、ヤーデージブックの数値や地形情報を共有することは情報なのでOK。
ただし、スロープ(高低差補正)機能の扱いなどはローカルで制限がある場合があります。当日の掲示を確認しましょう。
違反したらどうなる?(ペナルティの考え方)
アドバイスのやり取りを行うと一般の罰(ストロークプレーは2罰打)が科されます。
誤って助言に踏み込んだ場合は、即座に言い直すか、以後のやり取りを控えましょう。
プレーファストと両立させるコツ
助言はNGでも、段取りの共有や役割分担は大歓迎。以下の工夫で進行を落とさずに気持ちよく回れます。
よくある場面と正解
- 同伴者から「何番で打つ?」と聞かれた:番手で答えない。距離や風を共有。
- 初心者に安全配慮を伝えたい:「右は白杭(OB)」「左は傾斜が緩い」など客観情報で伝える。
- キャディの後方アライメント:構えた後に後方から体の向きを合わせる行為は違反リスク。構える前の助言にとどめる。
よくある質問(FAQ)
- Q. スコアや打数の確認はアドバイスになりますか?
- A. いいえ。スコアの確認は情報です。誤記防止のためにも積極的に確認しましょう。
- Q. 同伴者の番手を見て参考にするのは?
- A. 見るだけはOK。ただし番手を教え合うのは助言にあたるため控えましょう。
- Q. 観客や他組の人に質問してもいい?
- A. 情報の提供(距離・ハザード位置など)はOKですが、打ち方や番手の助言はNGです。
- Q. ビギナーに最低限の打ち方を教えるのもNG?
- A. ラウンド中は助言の範囲になりやすいです。練習場やラウンド前後に教えるのがおすすめ。