バンカーは「砂地からのプレー能力をテストする特別区域」。そのため砂に触れる行為や救済の取り方に独自のルールがあります。この記事では、最新規則(2019改正・2023確認)に基づき、現場で迷いやすい要点だけをテキストで早見化しました。
目次
バンカーの定義と“砂地でもバンカーでない”ケース
バンカーは特別に整備された砂地。一方で、同じ砂地でも委員会が「一般区域」と定義した場所(いわゆるウェイストエリア)はバンカーではありません。コースのローカルルールや標示を確認しましょう。
できること(ペナルティなし)
2019年の改正以降、バンカーでも以下は原則OKです。ただし、ストロークに影響する状況の改善につながる行為は別規則(8.1)で制限されます。
- ルースインペディメント(枯葉・小石など)を取り除くこと。
- 手やクラブで砂に触れること自体(例:バランス保持・転倒防止・クラブを置く等)。
- コース保護のためのならし(自分のプレーに影響しない範囲)。
- 計測・マーク・拾い上げ・リプレースなど規則上の手続き。
できないこと(ペナルティの対象)
次の行為はストローク前に禁止されています。いずれも砂の状態をテストしたり、ボール直近の状況を改善する恐れがあるためです。
- 砂の状態を確かめる目的で意図的に砂に触れる。
- ボールの直前・直後の砂にクラブや手で触れる(例外を除く)。
- 練習スイングで砂に触れる/バックスイングで砂に触れる。
※上記に当たらない偶発的接触や、バランス保持・転倒防止などは許容されます。
レーキの扱いと「ならし」
レーキはバンカーの外に置くのが推奨(最終判断はコースの指示に従う)。プレー後は自分と同伴者の足跡・掘れ跡を素早くならし、次組のために整えます。待ち時間に先にならすのはコース保護の観点で推奨されますが、自分のプレーに影響する状況の改善にならないよう注意します。
救済の選び方(無罰/有罰)
無罰救済(異常なコース状態など)
バンカー内で一時水・動かせない障害物(排水口等)による干渉があるときは、原則そのバンカー内でニアレストポイント基準の救済が可能です。
ただし、どうしてもプレーが難しい場合は1打罰で後方線上にバンカー外へ出す救済オプションもあります。
アンプレアブル(自分の判断で不可能・不合理)
バンカー内の球をアンプレアブルとする場合、次の選択肢があります。
- ストローク&ディスタンス(1罰):直前の地点に戻って打ち直し。
- 後方線上(1罰・バンカー内):球とホールを結ぶ線上でバンカー内の後方にドロップ。
- 横方向(1罰・バンカー内):基準点から2クラブレングス以内でホールに近づかない位置にドロップ。
- 後方線上(2罰・バンカー外):球とホールを結ぶ線上でバンカー外にドロップ。
進行とマナー(速く・静かに・安全に)
- 入る前に次のクラブ候補を複数本持って行き、打ち終えたら出口側から退く。
- 打球・人の位置を必ず確認。危険なら「Fore!」の声をためらわない。
- ならしは自分→同伴者→周囲の順で、手短かに。
早見表(OK / NG)
項目 | OK | NG |
---|---|---|
砂に触れる | 偶発的接触/バランス保持/クラブを置く | テスト目的/ボール直前直後/練習スイング/バックスイング |
ルースインペディメント | 取り除ける(状況改善にならない範囲) | 取り除くことで状況を改善する意図 |
ならし | コース保護目的(自分のプレーに影響しない) | 自分のライや足場の改善 |
無罰救済 | 一時水/動かせない障害物 → 原則バンカー内で救済 | (—) |
有罰救済 | アンプレアブル1罰=バンカー内/ 2罰=後方線上でバンカー外 | (—) |
レーキの置き場所 | 外側が推奨(コース指示に従う) | (—) |
よくある質問(FAQ)
- 練習スイングで砂に触れたら?
- 禁止事項に該当します。練習スイングやバックスイングで砂に触れることは不可です。
- ボールが目玉。2罰で外に出すのはアリ?
- はい。アンプレアブルの追加オプションとして2罰で後方線上にバンカー外へ出せます。状況とスコア戦略で判断を。
- バンカー内に一時水。どう救済する?
- 原則はバンカー内での無罰救済。プレーが難しい場合は1罰で後方線上の外へ出すことも可能です。
- レーキは中?外?
- 委員会の裁量ですが、一般的には外側推奨。現地の掲示に従いましょう。