バンカーのアンプレアブルアイキャッチ

バンカーのアンプレアブル|4つの救済オプションと使いどころ

バンカー内の球は、プレーヤーの判断でアンプレアブル(プレー不能)にできます。選べる救済は1打罰が3通り(打ち直し/バンカー内での後方線上/同じく横方向2クラブレングス)と、2打罰のバンカー外(後方線上)の計4種類です。まずは結論から整理し、次に手順と使いどころを解説します。

結論(早見)|アンプレアブル時に選べる4オプション

  • ①【1打罰】ストローク&ディスタンス:直前の地点に戻って打ち直し(ティーなら再ティー可)。
  • ②【1打罰】後方線上(バンカー内:球とホールを結ぶ直線上で、バンカー内の後方にドロップ。
  • ③【1打罰】横方向(バンカー内:球の位置を基準点に、ホールに近づかない2クラブレングス以内でドロップ(バンカー内に限る)。
  • ④【2打罰】後方線上(バンカー外:球とホールを結ぶ直線上で、バンカー外にドロップ(2019改正で追加)。

※④は“外へ出す”特別オプションで2打罰です。①〜③は1打罰。具体の定義と根拠は本文で示します。

アンプレアブルの前提と宣言のコツ

アンプレアブルはプレーヤー本人だけが決められる救済で、ペナルティエリア内では不可(その場合はペナルティエリアの救済を使用)。バンカーは対象なので、本記事の4オプションが選べます。宣言は厳密に「アンプレアブル」と言わなくても、選ぶ救済を同伴者に明確に伝えるのが実務上はスムーズです。

各オプションの手順とポイント

①【1打罰】ストローク&ディスタンス(打ち直し)

直前のストローク地点に戻って次の球をプレーします。
ティーイングエリアでの前打ならティーアップ可、一般区域やバンカーからの前打ならその地点を基準にドロップ/グリーン上の前打はプレースと、前打のエリアに応じた方法で「前の場所からプレー」します。

②【1打罰】後方線上(バンカー内)

ホールと元の球の位置を結ぶ直線上で、バンカー内の後方に下がってその線上にドロップします。2023年以降、ドロップは線上に行い、最初に線に触れた地点から1クラブレングス内に止まればインプレーです。

③【1打罰】横方向2クラブレングス(バンカー内)

元の球の位置を基準点として、ホールに近づかない2クラブレングス以内、かつバンカー内にドロップできます。位置の自由度が高く、目玉や土手際からの“微修正”に便利です。

④【2打罰】後方線上(バンカー外)

2019年改正で追加された特別オプション。ホールと元の球の位置を結ぶ直線上で、バンカー外にドロップできます(2打罰)。高い土手や極端な目玉で物理的に出せない/大叩きが濃厚と判断したときの“撤退路”として有効です。

共通のドロップ手順(正しいリスタート)

  • 膝の高さから真下に自分(またはパートナー)がドロップする。
  • 後方線上の場合は線の上にドロップし、最初に線に触れた地点から1クラブレングス内に止まる必要あり。
  • それ以外(横方向など)は、救済エリア内に落ちて救済エリア内に止まること。

※正しくドロップできなかったらやり直し。間違ったままプレーすると誤所からのプレーの罰があり得ます。

どれを選ぶ?|状況別の使い分け

  • “絶望的な目玉”・土手が高い:④(2罰で外へ)。打数は増えるが被害最小化になりやすい
  • ライは悪いが出せる:②または③(1罰でバンカー内)。スタンス確保砂質の良い場所へ移して安全に1発で外へ。
  • 距離を戻してでも安全に:①(打ち直し)。グリーン手前の低リスクゾーンに戻し、最少打で上がる戦略。

よくある混同:異常なコース状態からの救済との違い

バンカー内で一時水・動かせない障害物などの異常なコース状態が原因の場合は、まず無罰でバンカー内の救済が可能です。どうしても困難なときは、1打罰で“外へ”(後方線上)に出す選択肢もあります。
一方、単にライが悪い・土手が近い等でのアンプレアブルは、本記事の1打罰×3+2打罰×1の枠組みです。“1打罰で外へ”は異常なコース状態の救済だけに認められます(アンプレアブルでは外へは2打罰)。

進行・マナーのヒント(プレーファスト視点)

  • 判断に迷うときは先に候補クラブを複数本持ってバンカーへ。選択→ドロップ→ショットを連続動作で。
  • 救済を選ぶ前に同伴者へ一声(「後方線上で2打罰で外へ出します」など)。
  • 打ち終えたら出口側へ最短移動→レーキで素早くならす→次の一手。

FAQ|よくある質問

Q. バンカーで練習スイングが砂に触れたら?
A. ストローク前の練習スイングやバックスイングで砂に触れるのは不可です(ペナルティ)。偶発的接触や転倒防止などは許容範囲。
Q. 2罰で外へ出すのはいつ使う?
A. 目玉・土手際・背面土などで1打罰の選択肢だと大叩きの恐れが高いとき。合理的にスコアを守れます(2019年に追加)。
Q. ドロップは“線上”に落とすって本当?
A. はい。2023年のルール整理により、後方線上は線の上にドロップし、落下点から1クラブレングス以内に止まる必要があります。


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