ゴルフコースは芝の種類によってボールの転がりやショット時の感触が大きく変わります。
日本国内でも季節や地域によって異なる芝が使われており、フェアウェイやラフ、グリーンそれぞれに適した芝が選ばれることが一般的。
本記事では、ゴルフの芝の違いについて解説し、それぞれの芝の特徴や攻略ポイントを紹介します。
芝を理解することで、より正確なショットやパットができるようになり、スコアアップにもつながるでしょう。
1. ゴルフで使われる主な芝の種類
ゴルフ場で使われる芝にはいくつかの代表的な種類があります。
- ベントグラス(Bentgrass)
– 主にグリーンで使われることが多い芝。
– 細かくて密度が高く、ボールの転がりが良いのが特徴。
– 寒冷地や高地など涼しい環境で育ちやすい。 - コーライ(高麗芝)
– 日本で古くから使われる芝。
– 高温多湿に強く、主にフェアウェイやティーイングエリア、ラフに用いられるが、グリーンに使われることもある。
– 芝目が強い場合が多く、転がりがつかみにくい面も。 - バミューダグラス(Bermudagrass)
– 暑い地域(暖地)でよく使われる。
– 乾燥に強く、踏み固められても比較的丈夫。
– アメリカ南部やリゾート地でフェアウェイやラフに多用。 - ライグラス(Ryegrass)
– 冬芝としてオーバーシード(冬季に撒く補助的な芝)に使われる場合も。
– 成長が早く、緑を保ちやすいが、夏場には弱い。
このように、コースの立地条件や気候に合わせて芝の種類を使い分け、季節ごとに芝を張り替えたり補修したりするコースもあります。
2. フェアウェイの芝と特徴
フェアウェイはティーショット後のボールが落ちるメインエリア。ボールが芝の上にしっかり座り、ショットしやすいように管理されています。
- コーライ芝のフェアウェイ:
– 夏場に強く、踏まれても丈夫。
– ただし芝目がはっきりしている場合、順目・逆目で転がりや球の抜けが変わる。 - バミューダ芝のフェアウェイ:
– アメリカ南部や暖かい地域で多用。
– 少し粗めで、芝が薄くなるとベアグラウンドに近い感触になることも。 - 寒冷地のフェアウェイ:
– ベントグラスを主体にしているコースもあるが、密集して柔らかい反面、冬には色が落ちる。
フェアウェイの芝が短めに刈られているほど、ボールが浮きやすくショットしやすいですが、ターフが薄く地面が硬い場合もあるので、状況に応じて打ち方を微調整しましょう。
3. ラフの芝の種類と攻略ポイント
フェアウェイを外れたら待ち受けるのがラフ。ラフは長く伸ばした芝や、密集度が高い芝で構成され、ボールが埋まったり抵抗が大きくなったりします。
- 長いラフ(ディープラフ):
– バミューダやケンタッキーブルーグラスなどの種類で丈が長い場合、芝がクラブに絡んでスピンが入りにくい。
– ロフトのあるクラブを使い、クラブが抜けやすい角度でショットする工夫が必要。 - 浅めのラフ:
– 芝がそこまで長くないが、フェアウェイよりは抵抗が増す。
– グリーンを狙えるならアイアンやユーティリティで強めにヒットし、ボールを浮かせる。 - 根が張ったコーライラフ:
– コーライ芝は根が強く、ボールが沈んでいると厄介。
– ソールが詰まらないようやや打ち込む感覚で。
ラフでは芝の抵抗を予測して「ヘッドがどのくらい減速されるか」を考え、番手を1つか2つ上げるなどの調整も効果的です。
4. グリーンの芝:速さと転がりを決める
グリーンの芝は主にベントグラスかコーライ(高麗芝)が代表的で、コースごとに管理方法やコンディションが異なります。
- ベントグリーン:
– 細い葉で密度が高く、ボールの転がりがスムーズ。
– スピードが速いグリーンを作りやすく、メジャートーナメントでも多用。 - コーライグリーン:
– 芝の葉が太めで、芝目の影響が大きい。
– 東日本の古いコースや真夏の暑い地域で今も使われる。
– 芝目を読めないとパットが曲がりやすい。 - オーバーシード:
– 冬場は芝が枯れる地域で、ライグラスなどを混ぜて一年中グリーンを保つ方式。
– 季節によって表面の芝が変わるため、転がりの変化に注意。
グリーン周りやパッティングでの対応力を高めるには、芝目の読みに慣れることや、グリーンのコンディション(スティンプメーター値など)を把握するのが大切です。
5. 季節による芝の変化
芝は植物なので、気温・湿度などにより季節ごとの変化が顕著です。
- 春:
– 冬枯れから徐々に新芽が出る。
– 柔らかくなり始めるが、芝丈が揃わずライが不安定なことも。 - 夏:
– 芝の成長が盛ん。
– グリーンが速くなる一方で、ラフも伸びる。
– 高温多湿地域ではコーライが青々と。 - 秋:
– 朝晩の気温差で芝の成長が緩やかに。
– 涼しさからグリーンが安定するが落ち葉などが散乱する場合あり。 - 冬:
– 芝が枯れ、黄色くなったり硬くなったり。
– ベアグラウンドが増え、打ち方に工夫が必要。
このように季節に応じて芝の状態を見極め、ショットやパットの感覚を微調整するのが上達への道です。
6. 芝を知ってスコアアップにつなげるコツ
芝の違いを理解し、それを活用してスコアアップを狙うコツをまとめます。
- 事前に情報収集:
ゴルフ場の公式サイトや口コミで、コースの芝種やグリーンの状態を確認。
当日の湿度や気温と合わせて、クラブ選択やアプローチ戦略を立てる。 - 練習グリーン・芝を見てイメージ:
スタート前に練習グリーンで転がり具合を把握する。
フェアウェイやラフも軽く見学すると良い。 - 芝目を読む能力を養う:
パット時に芝目が強いコースでは、順目・逆目を確認して転がりの変化を読む。
アプローチ時にも球のスピン量が変わる。 - 打ち方を柔軟に変える:
芝が硬いならコンパクトに、柔らかいならソールを滑らせるイメージなど、状況に合わせて打ち分けられるように練習する。
まとめ
ゴルフの芝の違いを理解することは、ラウンド全体での戦略やショットの精度向上に大きく役立ちます。
- フェアウェイやラフ、グリーンで使われる芝がそれぞれ異なり、芝種特有の特徴を持つ
- 芝の成長や季節による硬さ・色味の変化を予想し、打ち方・クラブ選択を微調整
- グリーンの芝は転がりや速さに直結し、パッティング戦略を左右する
- ラフでは芝の抵抗を考え、ロフトや抜けの良いクラブを使い、フェース面や振り幅を調整
芝を知ればゴルフがもっと面白く、戦略的にプレーできるようになります。
ぜひコースに出る前後で芝を観察しながら、ラウンドの中で最適なアプローチを身につけてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 同じ「ベントグラス」と言っても、コースによって速さや色味が違うのはなぜ?
A.
同じベント系でも品種や生育環境、グリーンキーパーの管理(刈高、施肥、散水など)によって特性が変わります。
ゴルフ場独自の仕上げや季節的な要因もあり、コースごとに異なる質感・速さになるのです。
Q2. 芝が短いコースと長いコースで、ショットの技術はどう変えればいい?
A.
芝が短くフェアウェイが硬めならダフリを恐れずコンパクトに打つ、
芝が長く柔らかいならソールを滑らせる意識が有効など、状況に応じた変化が必要です。
特にアプローチ時、バウンスやフェース角度の使い方を調整するとミスが減ります。
Q3. グリーンがコーライの場合、パットの読み方が難しいと聞きました…。どう対処すれば?
A.
コーライグリーンは芝目の影響が大きく、順目と逆目では転がり具合や方向が変わる特徴があります。
・順目はボールがスーッと速く転がる
・逆目は抵抗が大きく、曲がりも大きくなる
練習グリーンやコースの色味(濃淡)を観察し、打つ強さとラインを修正するのが基本です。
Q4. 初心者が特に注意すべき芝の違いは何ですか?
A.
特に薄芝やベアグラウンドは初心者がダフリやすく、冬場やグリーン周りなどでよく遭遇します。
ボール位置をやや右寄りに置く・コンパクトなスイングで先にボールを拾う意識を持つなど、打ち方を適切に調整しましょう。
Q5. コースではどのように芝の状態を素早く把握できますか?
A.
・スタート前に練習グリーンで転がりを確認(速さや芝目)
・フェアウェイやラフを移動する際に足元の感触を確かめる(硬さ、芝の長さ)
・同伴者のショットや球筋を見て、ライがどう影響しているかも参考にする
→こうした意識的な観察で芝の状態を把握しやすくなります。
ゴルフは「芝の上で行うスポーツ」。芝の種類やコンディションを理解してこそ、戦略的なショットを選べるようになります。
今回紹介した知識を活かして、ぜひ次のラウンドで芝の違いを意識したプレーを試してみてください!