目次
旗竿(ピン)の扱い・置き方|抜く/差す/置くの正解とNG、当てた場合の扱いまで
旗竿(ピン、ピンフラッグ)の扱いは、安全・プレーファスト・グリーン面の保護が三本柱。
本記事では、抜く/差す/置くの基本、ピンイン/ピンアウトの使い分け、持ち方と立ち位置、置き場所、当てた場合の扱いまで、迷わず実行できる“現場用の台本”としてまとめます。
まず結論(30秒サマリー)
- 原則:安全と面保護を最優先。抜く/差す/置くは静かに・垂直に・やさしく。
- 置き場所:可能ならグリーン外(フリンジ/カラー)へ水平に置く。やむを得ずグリーン上に置く場合も他人のラインを避けて静かに。
- ピンイン/ピンアウト:どちらも可。風や下りの速いライン=抜く、上りやカップが見づらい=刺したままなど、組で統一。
- 当てた場合:旗竿に当たっても原則無罰(故意の妨害は別)。ボールが旗竿に寄りかかって止まった場合の処置は後述。
- 担当:最初にホールアウトした人が旗竿係に回ると速い(プレーファスト)。
抜く/差す/置くの基本(面保護・安全・速さ)
- 抜く:旗竿は垂直にまっすぐ引き上げ、カップ縁をこすらない。抜く前に同伴者へ「抜きますね」と一声。
- 差す:戻すときも垂直に。カップの縁を押し広げないよう静かに差す。旗布が風で暴れる日は特に注意。
- 置く:旗竿の金属部が芝を擦らないよう、水平にそっと下ろす。置く向きはプレー方向と直角にして転倒を防止。
どこへ置く?(置き場所の優先順位)
- 第1候補:グリーン外のフリンジ/カラー(他組の打球線・足元の妨げにならない位置)。
- 第2候補:グリーン上でも誰のラインにもかからない外周。穴やディボットを作らないよう静置。
- 避ける:カップ周辺・複数人のラインが交差する場所・傾斜の強い面(転がり落ちの危険)。
コースによっては「旗竿はグリーン外へ」といった掲示がある場合もあります。掲示があれば最優先してください(ローカルルール)。
“持つ人”の立ち位置・声掛け(アテンドの作法)
- 立ち位置:パッターの視界に入りすぎないところで、影がラインに落ちない位置。
- 抜くタイミング:パッターの合図「お願いします」→静かに抜く→その場で旗竿を横へ移動。
- 風が強い:旗布の音や竿の揺れは集中を乱すので、しっかり手元を固定、必要なら事前に抜いておく。
- 役割交替:最初にホールアウトした人が旗竿係へ回るとスムーズ(Ready Golf)。
ピンイン/ピンアウトの使い分け(迷ったらこれ)
- ピンイン有利:上り、長いパット、カップが見づらい位置(目印として有効)。
- ピンアウト有利:強い下り、横風で旗が揺れる、カップ周りの段差が気になる時。
- 組で統一:そのホールは原則固定(毎回の抜き差しで停滞しないように)。
グリーン面を傷めないコツ
- 旗竿の先端や金具を面にこすりつけない。
- 置く→拾うは常に垂直→水平→垂直の三拍子でやさしく。
- ホールから球を取り出すとき、パターで縁をこじらない(指で静かに)。
- ボールマークやディボットはその場で素早く修復(修復作法)。
ボールが旗竿に当たった/寄りかかったとき
- 当たっただけ:原則無罰。そのままの結果で続行(故意に当てるなどの妨害は別)。
- 寄りかかって停止:ボールが旗竿に触れたまま止まり、球の一部がホールの縁より下にある→ホールイン扱い。
- 寄りかかったが縁より上:ホールインではない。旗竿を抜いたときに球が動いたら、元の位置にリプレース(無罰)。
OK/NG早見表(旗竿の扱い)
| 行動 | OK/NG | ポイント |
|---|---|---|
| 抜く・差す・置くを静かに(垂直/水平) | OK | 面保護と安全の基本動作 |
| フリンジ/カラーへ水平に置く | OK | ラインと足元の妨げを回避 |
| 旗竿係=最初に上がった人が担当 | OK | Ready Golfで時短 |
| グリーン中央に雑に置く | NG | ラインを傷め、転倒・事故の原因 |
| カップ縁をこじる/叩く | NG | カップ破損。面を痛める |
現場の60秒フロー(迷ったらこれ)
- 10秒:組でピンイン/ピンアウトを決定。
- 15秒:抜く/差す担当を明確化(最初に上がった人が旗竿係)。
- 15秒:置き場所=フリンジ/カラーを確保(ラインにかけない)。
- 10秒:抜き差しは垂直/静かに、置く時は水平/静置。
- 10秒:当てた場合の扱い(原則無罰/寄りかかり=条件次第でホールイン)を共有。
よくある質問(FAQ)
- Q. 旗竿は抜くのと差したまま、どちらが正解?
- A. どちらも可。下りの速いラインや風が強い日は抜く、上りや長距離で目印が欲しい時は差すなど、状況で使い分けましょう。
- Q. グリーン上に置くのはダメ?
- A. 可能ならグリーン外(フリンジ/カラー)がベター。やむを得ずグリーン上ならライン外の外周に静かに置きます。
- Q. ボールが旗竿に寄りかかって止まりました。
- A. 球の一部がホール縁より下にあるならホールイン。そうでなければ旗竿を抜いても無罰、球は元の位置にリプレースします。
- Q. 誰が旗竿係をやるのが良い?
- A. 最初にホールアウトした人が受け持つとスムーズ。交替制でもOKです。
- Q. 風で旗竿が揺れて集中できません。
- A. 事前にピンアウトへ切り替えるか、アテンド(持つ)を申し出てもらいましょう。抜き差しは静かに・垂直に。