朝のラウンド対策アイキャッチ

霜・凍結の朝のラウンド対策|硬いグリーンと滑る足元で崩れない実戦手順

霜や凍結の朝は、コースが硬く滑りやすく、グリーンは弾いて止まらない、フェアウェイは横跳ねが出やすいなど、平常日とは別物です。
本記事では、スタート可否の見極めから番手選び・落とし所・打ち方、安全とマナーまで、朝のうちに即使える“現場用の台本”をまとめました。掲示やスタッフ指示がある場合は必ず従うことを前提とします。

まず結論(30秒サマリー)

  • スタート判断:「凍結でスタート遅延/冬季グリーン(臨時)」の掲示があれば指示に従う。凍ったグリーンは無理に狙わない
  • ティーショット:横跳ねと過剰ランに注意。番手を落として安全サイド広め、傾斜の少ない帯へ。
  • セカンド/花道:グリーンは弾く→花道経由の転がし前提に。奥の下りを絶対に残さない。
  • グリーン周り:“上げて止める”は捨て、UT/7Iのパター打ちやパター活用で再現性を取る。
  • 安全とマナー:橋・斜面・木道は歩幅小さく霜のグリーンに不要な歩行・練習スイングはしない(芝を傷める)。

スタート可否の見極め(掲示と現場のサイン)

凍結が強い日はコースがスタート遅延冬季グリーン(臨時ホール)を設定することがあります。まずは掲示・スタッフの指示を確認。

  • 冬季グリーン:通常グリーンを保護するため、エプロンやフェアウェイに臨時カップが設置されることがあります。
  • 凍結のサイン:フェアウェイ・グリーンが光って見える、足音がパリッと鳴る、硬い地面でティーが刺さりにくい等。

凍ったグリーンは歩行やボール着弾で芝を痛めやすいため、コースの運用に必ず従いましょう。

ティーショット:横跳ね・過剰ランを前提に“置きに行く”

凍結朝は、着弾後の挙動が読みにくく危険側へ跳ねることがあります。出球を抑え、狙いを安全サイドへ広く取ります。

  • クラブ:3W/UTなどで高さ・スピンを抑える選択を優先(横風は特に安全サイドへ)。
  • ターゲット:フェアウェイを三分割し、危険側と逆の帯に出球。狭いホールは保守的に。
  • スタンス:滑りやすいので広め・踏み込み浅め。強振は封印、スリークォーターで。

セカンド:真上から“止める”発想を捨てる

凍ったグリーンは着弾で弾くため、上から落としても止まりません。花道→転がしのルートに切り替えます。

  • 設計:花道が使えるならキャリー短めに落とし、転がし寄せで上りを残す。
  • 奥NG:奥の下りは大怪我。センター基準で絶対に奥へ外さない
  • レイアップ:中途半端な距離を避け、得意距離に刻んで“転がし勝負”に持ち込む。

グリーン周り:パター/UT/7Iの“パター打ち”が基準

凍結時のロブや高い球は弾かれて距離が合いにくいため、低く、早く着地させる選択を。

  • 優先順:パター > UT/7Iのパター打ち > PW/AWの低めチップ。
  • 落とし所:エッジ+0〜2歩目安(硬さ・傾斜で微調整)。
  • 注意:霜の朝は芝目が荒くラインが割れる。再現性の高いクラブを選ぶ。

硬い(凍った)バンカー・凍土の対処

表面が凍って硬い砂・土は、通常のエクスプロージョンが効きにくい状況です。

  • 硬いバンカー:フェースは開き最小限入射は浅めにして薄く砂を取りつつ加速を維持。深く掘らない。
  • 凍土(フェアウェイ/ベアグラウンド風):ロフトを立てた番手で、ボールをやや右寄りハンドファーストで“コンパクトにクリーンヒット”を狙う。
  • 無理せず横出し:顎が高い・バンスが跳ねる等は、横出しで被害最小。

パッティング:速度のムラと段差を“死に場所”で吸収

霜解け途中のグリーンは速さのムラ段差が出やすいです。無理な強さで突っ込まない。

  • 死に場所:常に上り30〜50cmの場所に終点を置く(外せば必ず上りが残る)。
  • 順番:距離感→ラインの順。距離感は一段大きい振り幅で合わせ、急に乾いた面では強さを抑える。
  • マナー:保護中のグリーンは立ち入り・素振りNG。臨時グリーンがあればそちらを使用。

安全・マナー:滑りやすい場所と“霜焼け”対策

  • 足元:橋・木道・下り斜面は小股・手すり活用。スイング中も踏ん張り重視で無理に体重移動しない。
  • スタンス位置:霜のグリーンでは不要な歩行を避ける。ライン上の踏み荒らしに注意。
  • 持ち物:タオルを2枚(クラブ用/手用)・替えグローブ・ポケット用カイロ。握りの滑りを防ぐ。

OK/NG早見表(霜・凍結の朝)

行動OK/NGポイント
3W/UTで“置きに行く”ティーショットOK横跳ね・過剰ラン対策。安全サイド広め
花道→転がし寄せ(パター/UT/7I)OK凍ったグリーンに上から落とさない
硬いバンカーで薄く砂を取る+加速維持OK開きすぎ・深掘りはNG
凍ったグリーンへ高い球で“止めに行く”NG弾いてオーバー&奥の下りの危険
保護中のグリーンに立ち入る/素振りNG芝を傷める。掲示・指示を最優先

現場の60秒フロー

  1. 10秒:掲示・スタッフ指示を確認(冬季グリーン/遅延の有無)。
  2. 15秒:ティーは3W/UT中心に出球を抑え、安全サイドの帯へ。
  3. 15秒:セカンドは花道を使い、奥NGで上りを残す。
  4. 10秒:グリーン周りはパター/UT/7Iの順で再現性を優先。
  5. 10秒:橋・斜面の移動は小股、滑りやすい場所を回避。

よくある質問(FAQ)

Q. 凍ったグリーンでもプレーして良い?
A. コースが保護のために冬季グリーンスタート遅延を設定する場合があります。掲示・指示に必ず従ってください。
Q. アプローチは何で打つのが安全?
A. 通路があればパターが最優先。なければUT/7Iのパター打ち→低めのチップの順で再現性を取りましょう。
Q. 凍った砂や硬い地面でトップ・ダフリが増えます。
A. フェースを開きすぎない入射を浅くコンパクトな振りでクリーンヒットを優先します。
Q. どれくらい番手を変えるべき?
A. 一律の数値よりも横跳ね・過剰ランのリスクで判断。危険側が近いほど番手を落として置きに行くのが安全です。
Q. 霜でラインが荒く、パットが暴れます。
A. “死に場所”を上り30〜50cmに設定し、距離感→ラインの順で決定。無理に強く入れないことがコツです。