強風の日に「え、今動いた…」「これって罰?」「元に戻していいの?」と固まるのは、初心者あるあるです。結論から言うと、風のような自然の力でボールが動いた場合、基本は罰なしで、動いた先(止まった場所)からプレーします。
ただし、例外が1つ。グリーン上でいったん置き直した(リプレースした)ボールが風で動いた場合は、元の位置に置き直すのが基本です。この記事では、現場で迷わないように状況別の手順を台本化します。
ボールが動いたとき最初に確認すること
確認は2つだけ
- 原因:風(自然)? 自分が触れた?(クラブ・足・グローブ・マーカー)
- 場所:ティーイングエリア? グリーン上? それ以外?
同伴者に一言(台本)
- 風っぽい:「今、風で動きました。ここ(止まった所)から打ちます」
- グリーンで置き直した後に動いた:「置き直した後に風で動いたので、元の位置に置き直します」
- 自分が触れたかも:「触れた可能性があるので、いまの状況を確認させてください」
風で動いたときの基本ルール(罰・プレー場所)
- ボールが止まっている状態で、風・水の流れ・重力といった自然の力で動いた → 原則罰なし、止まった場所からプレー
- 例外:グリーン上で置き直したボールが、その後に自然の力で動いた → 元の位置に置き直す
ポイントは「動いた原因」と「グリーンで置き直した後か」です。ここさえ押さえれば、ほとんど迷いません。
状況別の手順
ティーイングエリアで風でボールが落ちた・動いた
- やること:そのまま拾って置き直してOK(打つ前なら自由にティーアップし直せます)
- 罰:なし
- 注意:打った後は当然「次の場所」になります(ティーイングエリアの話は“打つ前”限定)
グリーン上で風で動いた
1)置き直していない(そのまま置いてあった)ボールが風で動いた
- やること:動いた先(止まった所)からプレー
- 罰:なし
- 実務:新しい位置でボールマークを置き直す(元のマークは撤去)
2)いったんマークして拾い、置き直したボールが風で動いた
- やること:元の位置に置き直す(もう一度同じ場所へ)
- 罰:なし
- 実務:マーク位置が残っていれば分かりやすい。分からない場合は同伴者と確認して決める
3)置き直しても置き直しても止まらない(強風)
- やること:まずは元の位置に置き直す
- それでも止まらない:同じグリーン上で、止まる場所に置く(元位置にできるだけ近く、カップに近づかない場所が基本)
- 台本:「止まらないので、止まる位置に置きます。ここで大丈夫ですか?」
フェアウェイ・ラフで風で動いた
- やること:基本は止まった所からプレー
- 罰:なし
- 注意:元の地点に戻す“親切”は不要(むしろトラブルの元)
バンカーで風で動いた
- やること:止まった所からプレー
- 罰:なし
- 注意:風で砂がかかって見えにくいことがあるので、位置の把握は早めに
風で動いてペナルティエリア/OBに入った
- ペナルティエリアに入った:ボールはその中にある扱い。打てるなら打つ/打てないなら規定の救済(罰あり)を選ぶ
- OBに出た:OBはOB。風が原因でも、原則は規定どおりの処置になります
「ここから先の処置」は状況で分岐が多いので、迷う場合はルール入門ハブも併読すると整理が早いです。
よくある勘違い(ここで揉めます)
- 勘違い:風で動いたから元に戻していい
正:基本は止まった所から(例外は「グリーン上で置き直した後に動いた」) - 勘違い:マーク(ボールマーカー)を置いたら必ず元に戻す
正:マークしただけで置き直していないなら、風で動いたら動いた所が新しい位置 - 勘違い:動いたらとりあえず拾って置く
正:拾う前に原因と場所を確認し、必要なら同伴者に一言
OK/NG早見表
| 場面 | OK | NG | 補足 |
|---|---|---|---|
| ラフで風で動いた | 止まった所から打つ | 元の場所に戻す | 親切のつもりが揉めやすい |
| グリーン上で置き直していないのに風で動いた | 止まった所から打つ | 元のマーク位置に戻す | 「置き直した後」かが分岐点 |
| グリーン上で置き直した後に風で動いた | 元の位置に置き直す | 動いた所から打つ | まずは同伴者に一言 |
| ティーイングエリアで風で落ちた | 置き直してOK | そのまま打つために急いで構える | 打つ前なら自由にティーアップし直せる |
| 原因が自分の接触かも | 同伴者と状況確認 | 「風です」と決めつけて進める | 接触があったなら扱いが変わる |
現場の判断フロー(30秒)
- 触れた?(クラブ・足・マーカー)→ 触れたなら「自分が動かした」可能性が高いので確認
- ティーイングエリア? → 風で落ちたなら置き直してOK
- グリーン上? → 「置き直した後に動いた」なら元へ/それ以外は止まった所
- それ以外 → 止まった所からプレー
- 迷ったら → 同伴者に一言+ルール入門ハブで整理
チェックリスト
- □ 触れていない(風で動いた可能性が高い)
- □ どこで動いたか(ティーイングエリア/グリーン/それ以外)を把握した
- □ グリーンなら「置き直した後か」を確認した
- □ 同伴者に一言伝えた(揉め防止)
- □ 元に戻すのは「置き直した後に風で動いた(グリーン)」だけだと理解した
強風の日はショットの選択も変わります。風の日の判断・当日の段取りが不安なら、こちらも役立ちます。
よくある質問
- Q. 風でボールが動いたら罰はありますか?
風のような自然の力でボールが動いた場合、基本は罰なしです。多くの場面では止まった所からプレーします。例外は、グリーン上でいったん置き直したボールが動いた場合で、このときは元の位置に置き直します。
- Q. グリーンでマークした直後に風でボールが動きました。元に戻しますか?
「マークしただけ」で、まだ拾って置き直していないなら、基本は止まった所が新しい位置です。置き直した後に動いた場合だけ、元の位置に置き直します。
- Q. グリーンで置き直した後に風で動きました。どこまで正確に戻す必要がありますか?
元の位置に置き直すのが基本です。マーク位置が分からないときは、同伴者と相談して納得できる位置を決めましょう。競技の場なら競技委員に確認すると安心です。
- Q. 置き直しても止まらないときはどうしますか?
まずは元の位置に置き直します。それでも止まらない場合は、同じグリーン上で止まる場所に置きます(元の位置に近く、カップに近づかない場所が基本)。同伴者に「止まらないので止まる位置に置きます」と一言添えると揉めません。
- Q. ティーイングエリアで風でボールが落ちました。打数はつきますか?
打つ前なら打数はつきません。置き直してティーアップし直してOKです。焦って無理に構えるより、落ち着いてやり直す方が安全です。
- Q. 風で動いてOBになりました。風のせいなので救済できますか?
風が原因でも、ボールがOBに出たらOBとして扱います。処置は状況で変わるため、当日のローカルルールも含めて確認してください。迷う場合はルール入門ハブで整理すると早いです。
- Q. 風じゃなくて自分が触れて動かしたかもしれません。
クラブや足、マーカーが触れたなら自分が動かした可能性があります。まず同伴者に状況を伝えて確認しましょう。グリーン上は例外的に罰が付かない場面もありますが、場所によって扱いが変わるため、判断に迷うときはルール入門ハブも参照してください。