コンペ結果で「同ネットなのに順位が違う」「なぜ自分が下?」となる原因の多くがカウントバックです。カウントバックは、同スコア(同ネット・同グロス)になったときに、特定区間のスコアを比べて順位を決める方法。
よくある並びは、後半9ホール → 後半6ホール → 後半3ホール → 18番の順に比較します。ただし「ネットで比べるか」「グロスで比べるか」「後半9の定義(10-18 or プレー順の後半)」はコンペ要項次第。この記事は、迷わない確認手順まで含めて台本化します。
カウントバックとは
30秒で要点
- カウントバック=同スコアのときに後半側のスコアが良い人を上位にする決め方。
- 比較する区間は、後半9 → 後半6 → 後半3 → 18番が定番。
- ネットで比べるのか、グロスで比べるのかは主催ルールで変わる。
- 「後半9」が10-18なのか、プレー順の後半9なのかも要確認(INスタートがあると混乱しやすい)。
いつ使う?(同ネット・同グロスのとき)
カウントバックは、次のような「同じ数字」のときに使われます。
- 同ネット:ネット順位が同点になった
- 同グロス:グロス順位が同点になった
ネット戦(ペリア/新ペリア/ダブルペリア、固定HDCPのネット戦)では同ネットが発生しやすいので、カウントバックが採用されることが多いです。
カウントバックの決め方(基本パターン)
比較する順番(よくある型)
主催がカウントバックを採用している場合、比較は次の順に進むのが一般的です。
| 比較の順番 | 見る区間 | 意味 |
|---|---|---|
| ① | 後半9ホール | 最後の9ホールの合計が良い人が上位 |
| ② | 後半6ホール | さらに絞って最後の6ホールで比較 |
| ③ | 後半3ホール | さらに絞って最後の3ホールで比較 |
| ④ | 18番 | 最後は18番スコアで比較 |
「ネットで比較」か「グロスで比較」か
ここが一番ズレやすいポイントです。コンペ要項に「カウントバック」とだけ書かれている場合、次のどちらなのかを確認してください。
| 方式 | 比較に使う数字 | よくある採用場面 | 初心者の注意点 |
|---|---|---|---|
| ネット・カウントバック | 区間のネット(グロス−HDCP配分) | ネット戦の公平性を重視する運用 | HDCP配分が絡むため、要項確認が必須 |
| グロス・カウントバック | 区間のグロス | 同ネット時の決着を簡単にする運用 | 「ネット同点でもグロスが良い人が上」になりうる |
現場で迷わない言い方(台本)
「同ネットのとき、カウントバックはネットで見ますか?グロスで見ますか?」
具体例(同ネットの2人が逆転する流れ)
例として、Aさん・Bさんが同ネット 70になったケースを考えます。主催が「後半9のネットでカウントバック」と定めている場合、次のように順位が決まります。
| 選手 | ネット(18H) | 後半9ネット | 後半6ネット | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| Aさん | 70 | 35 | 24 | 2位 |
| Bさん | 70 | 34 | 24 | 1位(後半9で上) |
後半9で決まらなければ、後半6 → 後半3 → 18番…と絞っていきます。ポイントは「同点になったら、後ろのホールが良い人が上に来る」という考え方です。
カウントバックで揉めやすいポイント(ここだけ要注意)
「後半9」の定義が2種類ある
コンペの要項や集計システムによって、後半9の意味が次のどちらかになります。
- 10番〜18番(INの9ホール)を指す
- プレー順の後半9ホールを指す(INスタートがあると実質1〜9になる)
台本
「後半9って、10〜18のことですか?それともプレー順の後半ですか?」
ショットガンや分散スタートだと表現がズレやすい
同じ「後半9」でも、スタートホールがバラバラなコンペでは混乱しやすいです。要項に「カウントバック(IN)」のように書いてあるか、スタッフに確認しておくと安全です。
カウントバック以外の決め方もある
主催によっては、同ネット時に次のようなルールを使う場合があります。
- HDCPが少ない人が上
- グロスが良い人が上
- 指定ホールのスコアで比較
「同点の決め方」はコンペの性格で変わるので、結果に違和感があるときはまず要項を確認してください。
OK/NG早見表
| 状況 | OK | NG | 補足 |
|---|---|---|---|
| 同ネットで順位が違う | 要項で「同点処理」を確認する | グロス感覚だけで「おかしい」と決めつける | 多くはカウントバックの影響 |
| カウントバックがネットかグロスか不明 | 幹事・スタッフに確認 | 自己解釈で計算し直して主張 | 集計は主催ルールが正解 |
| 「後半9」の意味が不明(INスタート) | 10-18か、プレー順かを確認 | 10-18と決めつける | 分散スタートだとズレやすい |
| 結果表の説明がない | 「同点処理ありますか?」と短く聞く | 表彰式後に長文で詰める | 聞くなら早いほどスムーズ |
当日の確認フロー(30秒)
- 順位はネット?グロス?(結果表の見出しを見る)
- 同点処理は?(要項に「カウントバック」「同ネット時」表記があるか)
- カウントバックはネット?グロス?
- 後半9の定義(10-18か、プレー順の後半か)
ネット順位の基本があいまいな場合は、先にこちらで整理すると理解が速くなります。
チェックリスト
- □ このコンペはネット戦かグロス戦か分かる
- □ 同点処理(カウントバック)の採用有無を確認した
- □ カウントバックがネット比較かグロス比較か分かる
- □ 「後半9」の定義(10-18 or プレー順)を確認した
- □ 分からない点は幹事・スタッフに短く確認できる
よくある質問
- Q. カウントバックは何を比べるのですか?
同スコア(同ネット・同グロス)になったときに、後半側のスコアを比べます。一般的には後半9→後半6→後半3→18番の順に比較して順位を決めます。
- Q. 「同ネット」なのに順位が違うのは不公平では?
同点を決めるためのルールとして、事前に定められているなら不公平ではありません。大事なのは、ネット比較かグロス比較か、後半9の定義がどうなっているかを要項で確認することです。
- Q. カウントバックはネットで比べますか?グロスで比べますか?
主催ルールで変わります。ネット戦でもグロスでカウントバックする運用があります。要項に書かれていなければ、幹事かスタッフに「ネット比較ですか、グロス比較ですか?」と確認するのが確実です。
- Q. INスタートだと「後半9」はどこですか?
10-18を指す場合と、プレー順の後半9を指す場合があります。分散スタートのコンペでは表現がズレやすいので、「後半9の定義」を先に確認すると揉めません。
- Q. 後半9も同点だったらどうなりますか?
後半6→後半3→18番の順に絞って比較するのが一般的です。それでも同点の場合は、主催ルール(別の比較方法、同順位扱い)が適用されます。
- Q. カウントバックと「マッチングスコアカード」は同じですか?
同じ意味で使われることがあります。どちらも「決められた区間のスコアを比べて同点を割る」考え方です。実務では呼び方より、比較区間とネット/グロスの指定を確認するのが重要です。
- Q. 幹事に聞くのが気まずいです。角が立たない聞き方は?
「同ネットのときの順位決め、カウントバックはネットですか?グロスですか?」のように、確認点を短くまとめるとスムーズです。言い回しを増やしたい場合は下の記事も使えます。