フォア(Fore!)は、打ったボールが人のいる方向へ飛んでいく可能性があるときに、周囲へ危険を知らせる掛け声です。スコア以前に安全が最優先なので、迷ったら大きめに・早めに叫ぶのが正解です。
この記事は初心者〜中級者向けに、いつ叫ぶか/誰が言うか/どう言うか/聞こえた側はどう動くかを、現場で迷わない形でまとめました。
フォアとは
フォア(Fore!)は「危ない!」の合図です。打球が人に当たる可能性があるとき、前方の組や隣ホールへ注意を促します。
- 目的:相手が身を守る時間を作る(数秒でも大きい)
- 大前提:フォアは「恥ずかしい」ではなく「安全のための礼儀」
- 迷ったら:言う(言い過ぎで困るより、言わなくて事故が一番まずい)
フォアを叫ぶタイミング
基本は「打ってすぐ」
フォアはボールが当たりそうだと分かった瞬間、できるだけ早く叫びます。結論として、次のどれかに当てはまったら、ほぼ叫んでOKです。
- 前の組が見えない(谷・打ち上げ・ブラインド)
- 隣ホール方向へ強く曲がった(スライス/フック)
- 打ち出しが低く、跳ねて飛んでいきそう
- 風で押されて隣へ流れそう(特に横風)
- 林越え・土手越えで着弾地点が読めない
遅いフォアが起きるパターン
- ボールを目で追ってから「やばい」と気付く
- 「まだ戻るかも」と期待して黙る
- 打った本人が固まり、同伴者も様子見する
ルール化すると迷いません。「危ない可能性がある」時点で言う、です。
フォアは誰が言う?
原則:打った本人が言う
一番状況を把握しているのは打った本人なので、基本は本人がフォアを叫びます。
ただし現場では「見えた人が言う」
打った本人が固まる/ボールを見失うこともあります。そんなときは、見えている同伴者が代わりに言ってOKです。
- 合図:誰かが「フォア!」と言ったら、他の人も続けてOK(声量を足す)
- 役割分担:ブラインドが多い日は、打つ前に「危なかったらフォア言うね」で共有すると早い
フォアの言い方(伝わる型)
声量と回数
- 大きく(喉を潰すほどではなく、腹から)
- 2〜3回(1回で終わらせない)
- 間を空けず連続で(相手に認識してもらう)
方向も添えるとさらに安全
可能なら「どっちが危ないか」も添えると、相手が避けやすくなります。
- 「フォア!右!フォア!」
- 「フォア!左です!」
- 隣ホールに向いた:隣ホール方向を向いて叫ぶ(声を届ける)
接待・初対面でも角が立たない一言
「すみません、危ないのでフォア言います!」(先に断ってから大声でもOK)
フォアが聞こえた側はどう動く?(身を守る動き)
フォアは「見る」より「隠れる」が基本です。ボールを探して顔を上げるほど危険です。
基本動作(これだけ覚える)
- すぐに頭を守る(手・帽子・タオルなど)
- 前を見ない(ボールを目で追わない)
- できればカートや木の陰へ(遮蔽物を使う)
- しゃがむ(体を小さくする)
落ち着いたら確認
- 当たっていないか、周囲の人に声をかける
- 危険球が止まった場所を見当だけ確認(拾いに行くのは安全が確保されてから)
フォアを減らすために打つ前にやること(前方安全確認)
前方安全確認の基準
- 前の組が打ち終えて移動したのを確認する
- ブラインドなら鐘/ミラー/合図があれば使う
- 届きそうなら待つ(「たぶん届かない」は事故の元)
同伴者への声かけ(台本)
- 「前の組が見えないので、少し待ちます」
- 「届きそうなので、行ってから打ちます」
強風の日は飛距離のブレや横への流れが大きくなります。風が絡む日の判断は、こちらも併読すると安心です。
OK/NG早見表
| 状況 | OK | NG | 理由・補足 |
|---|---|---|---|
| 隣ホールへ曲がりそう | すぐにフォア(方向も言う) | 様子見で黙る | 数秒遅れるだけで避けられない |
| ブラインドで前の組が見えない | 打つ前に待つ/合図を使う | 「たぶん大丈夫」で打つ | 打ち込み事故の典型 |
| 打った本人が固まった | 見えた同伴者がフォアを言う | 誰も言わない | 「見えた人が言う」でOK |
| フォアが聞こえた側 | 頭を守って隠れる | 上を見てボールを探す | 顔・頭部が危険 |
| 初対面・接待で大声が気まずい | 安全優先で言う(先に「フォア言います」) | 気まずさ優先で黙る | 事故は取り返しがつかない |
現場の判断フロー(10秒)
- 危ない方向へ行った? → 行ったらフォア
- ブラインドで人がいるか不明? → 届きそうなら待つ/打ったらフォア前提
- 自分が言えない? → 見えた同伴者が言う
チェックリスト
- □ 前方安全確認をしてから打つ
- □ 危ない可能性が出たら「早めにフォア」で統一している
- □ 方向(右/左)も言えるときは言う
- □ フォアが聞こえたら「頭を守って隠れる」を知っている
- □ 事故対応や備えも把握している
万一に備える意味では、保険の考え方も一度整理しておくと安心です。
よくある質問
- Q. フォアはいつ叫べばいいですか?
危ない方向へ飛んだ可能性があると分かった瞬間、できるだけ早く叫びます。「まだ戻るかも」と黙るより、迷ったら言う方が安全です。
- Q. フォアは誰が言うべきですか?
原則は打った本人ですが、本人が固まったり見失った場合は、見えている同伴者が代わりに言ってOKです。安全優先で「見えた人が言う」で問題ありません。
- Q. 「フォア」と「ファー」どっちが正しい?
意味が伝われば最優先は安全です。一般的には「フォア(Fore!)」が危険球の掛け声として通じやすいので、迷ったら「フォア!」で統一しておくと安心です。
- Q. フォアを言わなかったら罰がありますか?
スコア上の罰というより、マナーと安全の問題です。事故やトラブルにつながるため、ルール以前に「危なければ言う」を徹底するのが大切です。
- Q. フォアを言っても当たってしまったらどうすればいい?
まず負傷の有無を確認し、必要なら救護・スタッフへ連絡します。謝罪と状況確認を最優先にし、保険を使う可能性があるなら連絡手順も整理しておくと安心です。
- Q. フォアが聞こえたら、ボールを見て避けた方がいい?
基本は見ないで、頭を守って隠れます。ボールを探して顔を上げるほど危険です。カートや木の陰があれば遮蔽物を使い、しゃがんで体を小さくします。
- Q. ブラインドホールで打つ前にどうすればいい?
前の組が安全な位置まで移動したことを確認してから打つのが基本です。鐘やミラーがあれば活用し、届きそうなら待つ。迷うときは同伴者にも「見えないので待ちます」と共有するとスムーズです。
- Q. 初対面・接待で大声が気まずいです。
気まずさより安全が最優先です。「危ないのでフォア言います!」と一言断ってから叫べば角が立ちにくいです。声かけの言い回しを増やしたい場合は、下の記事も使えます。