OKパットは、仲間内で「その短いパットは入った扱いにしよう」と合意して、拾い上げて次へ進む運用です。初心者にやさしく、進行もスムーズになりますが、勝手に拾う・数え方が違う・人によって距離がバラバラで揉めやすいのも現実。
この記事は初心者〜中級アマチュア向けに、現場で迷わない手順と台本に落とし込みました。結論はシンプルで、「事前に基準を決める」「拾う前に確認する」「スコアは入った扱いで+1」。この3点を守ればトラブルは激減します。
OKパットとは
30秒で要点
- OKパットは公式のストロークプレー運用そのものではなく、普段ラウンドでのグループ内の合意で成り立ちます。
- 距離は「何センチが正解」ではなく、傾斜・芝目・緊張度で難しさが変わるため、同伴者全員で基準を統一するのが正解。
- 拾ったらスコアは入った扱いで1打足す(勝手にノーカウントにしない)。
- 揉める原因の大半は拾う前の一言がないこと。必ず「OKもらっていいですか?」を挟む。
公式ルールと普段ラウンドの違い
競技やスコア提出が絡む日は、基本はホールアウトが前提です。普段ラウンドでOKパットを採用する場合も、スコアを比較するなら「OKの基準」を揃えておかないと公平性が崩れます。
迷ったら、まずは「今日はスコアをきちんと出す日か」を確認して、出す日ならOKパットは使わないのが最も揉めません。
よくある誤解
- 誤解:OKパットは短いからノーカウント
正:拾ったら「次の1打が入った扱い」なので、スコアは1打足す。 - 誤解:自分がOKだと思ったら拾っていい
正:OKは相手が出すもの。拾う前に確認が必要。 - 誤解:OK距離は固定で何センチ
正:傾斜や芝目で難度が変わる。固定値より基準の統一が大事。
OKパットの実務手順
OKパットで揉めないコツは「短いパットを拾うこと」ではなく、合意と確認です。ここは台本どおりにやってください。
ラウンド前に決める
スタート前の数十秒で、次の3点だけ決めればOKです。
- 距離の基準:例「グリップ1本ぶん(ワングリップ)まで」
- 運用の方針:例「基本はホールアウト。早朝で混んでいたら短い所だけOK」
- 誰がOKを出すか:例「相手のパットは相手が確認してから拾う」
スタート前のひと言台本
「今日OKパットは、ありにしますか? ありなら距離はグリップ1本ぶんくらいで統一しましょう」
距離目安の決め方
「ワングリップ」は便利な合言葉ですが、それが常に簡単とは限りません。距離より、次の3条件で難しさが変わります。
- 傾斜:強い下りは短くても外しやすい
- 芝目と速さ:速い日はショートパットほど緊張する
- プレッシャー:初対面・接待・勝負ラウンドは外しやすい
| 状況 | おすすめの判断 | 理由 |
|---|---|---|
| フラットで真っすぐ | 基準どおりOKにしやすい | 外す要素が少ない |
| 下り・スライスライン | 短くても打つ寄り | 外す確率が上がる |
| 初対面・接待・勝負 | 基本はホールアウト | 基準の食い違いが起きやすい |
| 混雑していて進行最優先 | 短い所だけOKで統一 | 後ろの組への配慮 |
初心者が迷わないための実務的な結論は、「傾斜があるなら打つ」「迷うなら打つ」です。OKパットは“拾うため”ではなく“揉めないため”に使います。
グリーン上の手順
- 止まったら確認:「これOKもらっていいですか?」
- 相手がOKを出す:「OKです」
- 拾ってマークは不要:拾って次のプレー準備へ
ここが一番大事
「拾ってから確認」はトラブルの元です。必ず確認してから拾う。これだけで揉め事は激減します。
スコアの数え方
OKパットは「そのパットが入った扱い」です。つまり1打足します。
- 例:パー4で2オン、カップ近くに止まってOKをもらった → スコアは3
- 例:パー4で3オン、OKをもらった → スコアは4
「短いから書かない」はスコアがズレる原因です。書き方まで統一すると、同伴者との温度差が出ません。
断り方と言い方
OKパットは、技術より言い方で空気が決まります。角が立ちにくい台本を用意しておきましょう。
OKをもらう
- 「これ、OKもらっていいですか?」
- 「進行のため、これ拾って大丈夫ですか?」
OKを出す
- 「OKです」
- 「OKで大丈夫です。次入った扱いで」
OKを断る
- 「今日は練習で入れたいので、打たせてください」
- 「スコアをきちんと出したい日なので、ホールアウトでいきます」
接待や初対面の場は、最初に方針を合わせるのが安全です。言い回しを増やしたい場合は、下の記事も使えます。
OK/NG早見表
| 状況 | OKパットを採用しやすい | OKパットを避けたい | 代替 |
|---|---|---|---|
| プライベートで全員合意 | 距離基準が統一されている | 人によってOK距離がバラバラ | 全員ホールアウトに戻す |
| 初心者がいて進行が不安 | 短い所だけOKに限定 | 長い距離までOKにして公平性が崩れる | 傾斜は打つ、フラットだけOK |
| スコアを出したい日 | 基本は採用しない | OKとホールアウトが混在して比較が崩れる | 最初に「今日はホールアウト」で統一 |
| 傾斜が強い短いパット | 基本は打つ | 短いからと拾ってしまう | 打ってから次へ進む |
| 初対面・接待 | 相手の方針に合わせて先に確認 | 自分判断で拾う | 「今日はOKどうします?」を先に言う |
チェックリスト
- □ 今日はスコア提出や競技目的ではない
- □ 同伴者全員で距離の基準が揃っている
- □ 拾う前に「OKもらっていいですか?」と確認した
- □ 傾斜や芝目の影響が強くない
- □ 迷ったら打つ選択に切り替えられる
「打つ」を選ぶときは、周りの進行も意識して準備を早めに。ルールとマナーの全体像は、下のハブにまとめています。
よくある質問
- Q. OKパットはルール的に問題ないですか?
普段ラウンドでは、同伴者全員の合意があれば運用できます。一方、競技やスコア提出が絡む日は基本はホールアウトが安全です。迷う日は「今日はホールアウトで統一」にすると揉めません。
- Q. 距離の目安は何センチですか?
固定の正解はありません。目安として「グリップ1本ぶん」を使うグループは多いですが、傾斜・芝目・緊張度で難しさが変わります。迷うなら打つ、傾斜があるなら打つが実務では安定します。
- Q. OKパットはスコアを足しますか?
足します。OKは「その1打が入った扱い」なので、拾ったらスコアは1打加算です。短いからと書かないとスコアが合わなくなります。
- Q. OKをもらわずに拾ってしまいました。どうすればいい?
すぐに「すみません、拾ってしまいました。OKで大丈夫ですか?」と確認しましょう。次からは拾う前に確認するだけでトラブルは減ります。
- Q. 相手にOKを出すと失礼になりませんか?
言い方次第です。「OKです」だけでなく、「OKで大丈夫です。次入った扱いで」と添えると丁寧です。相手が打ちたい雰囲気なら無理に出さないのが安全です。
- Q. 自分は打ちたいのにOKと言われました。断っていい?
断って大丈夫です。「今日は練習で入れたいので打たせてください」と言えば角が立ちにくいです。接待の場でも、丁寧に一言添えれば問題になりにくいです。
- Q. キャディさんに「OKです」と言われたら拾っていい?
基本は同伴者の方針に合わせます。キャディさんの声かけは進行の助けですが、スコアを厳密にしたい日は「今日はホールアウトで行きます」と先に伝えるのが安全です。
- Q. 進行が遅いのが不安でOKにしたくなります。
OKパットだけが解決策ではありません。次のクラブを早めに準備する、ライン読みは自分の番までに済ませる、打たない人が先に動くといった工夫でも進行は改善します。
- Q. グリーン外からのパターもOKにした方がいい?
グリーン外からのパターは練習にもなりやすいので、OKにせず打つ選択も有効です。状況別の考え方は下の記事も参考になります。