コースをきれいに保つことはマナーであり、次のプレーヤーへの思いやりです。
本記事では、グリーンのボールマーク修復、フェアウェイやティーイングエリアのディボット戻し・目土の正しいやり方を、道具→手順→タイミングの順で実践的に解説します。ローカル掲示がある場合は必ずそれに従うのが前提です。
目次
まず結論(30秒サマリー)
- グリーン:ボールマークは中心へ寄せて、上からパターで均す(フォークで持ち上げない)。
- フェアウェイ:取れた芝は向きを合わせて戻す→欠損なら目土で平らに(盛り上げない)。
- ティーイングエリア:打痕は備え付けの砂で埋めてならす。砂が無い/使用不可の掲示がある場合は指示に従う。
- 禁止:グリーン上に砂を撒かない。スパイク跡やボールマーク以外の過度な地面整形はしない。
- 速度:修復は20秒以内を目安に。プレーファストを損ねない範囲で。
道具(最低限でOK)
- グリーンフォーク:2本刃/1本刃いずれでも可。無ければティーペグ代用も可(フォーク推奨)。
- 目土用の砂:ティーイングエリアの砂箱、または目土袋。グリーン上では使わない。
- パター:ボールマークの仕上げに上から軽く押して均す。
グリーン:ボールマークの正しい直し方
グリーン上のボールマーク(ピッチマーク)は、見つけたらその場で直すのが基本。自分の跡+見つけた跡を1〜2か所直すと面が守られます。
- 刺す位置:傷の外周にフォークを斜めに差し、中心へ寄せる(えぐらない)。
- 寄せる向き:周囲から中心に向かって四方から少しずつ。土と根を戻すイメージ。
- 仕上げ:パターのソールで軽く上から押して平らに整える。
NG例:下から持ち上げる/こじると根が切れ、芝が枯れやすくなります。
フェアウェイ/ラフ:ディボットの戻し方と目土
ディボット(芝がめくれた塊)が残っている場合
- 向きを確認:芝目が合う向きに元の位置へ置く。
- 圧着:上から足で踏んで縁まで密着させる(横からも軽く踏む)。
- 仕上げ:浮いていないか確認。必要なら軽く土を足して平らに。
芝が粉砕されて戻せない場合(目土)
- 砂を入れる:穴の8〜9分目まで。
- ならす:足裏やクラブの背で周囲とツライチに。盛り上げない。
- 転圧:軽く踏んで固定(雨天は少なめに)。
コースによっては目土はスタッフ実施・またはローカル掲示で手順指定があるため、掲示に従ってください。
ティーイングエリア:打痕の目土
- 砂箱/目土袋の砂で打痕を埋める→平らに均す→軽く踏む。
- 砂が無い/使用不可掲示がある場合は手を加えない(芝養生のため)。
いつ直す?(タイミングとマナー)
- グリーン:自分のパットの前にさっと修復(ライン上の凸凹を整える)。長時間の修復は不可。列が進んだら追って直す。
- フェアウェイ/ティー:ショット後にすぐ直す。後続が来ている場合は優先して移動し、進行を妨げない範囲で。
ローカル掲示の読み方(最優先)
- 「グリーン上への砂撒き禁止」:フォークで修復→パターで均す。
- 「フェアウェイ目土は不要」:スタッフ施工のためディボット戻しのみを行う。
- 「ティーは目土実施」:砂箱/目土袋を使用。盛りすぎないのが基本。
迷ったら、マスター室や掲示に従いましょう(ローカルルールの基礎)。
あわせて守りたい“面”のケア(ひとこと)
- スパイク跡:グリーン上は軽く押さえてOK(過度な整形はしない)。
- バンカー:打ったらならす→レーキは正しい置き方を守る。
- カップ周り:旗竿の扱いは静かに、カップ縁を踏まない。
OK/NG早見表
| 行動 | OK/NG | ポイント |
|---|---|---|
| ボールマークを中心へ寄せて上から均す | OK | 根を守り、面が早く回復 |
| ディボットを向きを合わせて戻す | OK | 縁まで密着、浮きを残さない |
| 目土で周囲とツライチにする | OK | 盛りすぎはスコアにも芝にも悪影響 |
| グリーン上に砂を撒く | NG | 速度・転がりが不均一になる |
| フォークで下から持ち上げる/えぐる | NG | 根が切れて枯れやすい |
現場の60秒フロー(迷ったらこれ)
- 10秒:掲示を確認(目土の可否/手順)。
- 20秒:グリーン=中心へ寄せて→上から均す。フェアウェイ=戻す/目土→平ら。
- 10秒:足で軽く踏んで固定。盛り上がり無しを確認。
- 20秒:プレーファスト優先で次の準備。
よくある質問(FAQ)
- Q. 他人のボールマークを直しても良い?
- A. 問題ありません。気づいたら1〜2か所をさっと修復すると面が保たれます。
- Q. グリーン上での修復は、いつやって良い?
- A. 自分のプレーに支障のない範囲でいつでもOKです。時間をかけすぎないように。
- Q. 目土の砂はどれくらい入れる?
- A. 穴の8〜9分目→周囲とツライチになるよう均します。盛りすぎは不可。
- Q. 砂が見当たらない/使用不可の掲示がある
- A. 掲示に従い、ディボット戻しのみにします。判断に迷う場合はマスター室へ。
- Q. ティーイングエリアの削れ跡は?
- A. 砂箱/目土袋があれば埋めて平らに。無ければ何もしません(芝養生のため)。