ペナルティエリア(いわゆる“池ポチャ”)では、色(赤/黄)とボールが最後にエッジを横切った地点が判断の軸です。黄は「ストローク&ディスタンス」「バック・オン・ザ・ライン」の2択、赤はさらに横方向(2クラブレングス)が追加。膝の高さからのドロップや3分の捜索時間など、最新ルールに沿って“最短で正しい処置”ができるように手順化しました。
目次
結論|色で選ぶ救済、基準は「最後に横切った地点」
黄(黄杭・黄色ライン)は「①ストローク&ディスタンス(打ち直し)」か「②バック・オン・ザ・ライン」。赤(赤杭・赤ライン)はこの2つに加えて「③横方向(2クラブレングス)」が選べます。基準は常にボールが最後にペナルティエリアのエッジを横切った地点。ドロップは膝の高さ、ボールは救済エリア内に止まることが必要です。
まず確認すること(30秒チェック)
プレーを止めずに正しい選択をするため、以下の順に確認します。
- 色は赤か黄か?(線が無ければ杭、線があれば線の外側がエッジ。色不明なら原則「赤」扱いのコースも多い)
- 最後にエッジを横切った地点はどこか?(同伴者と合意を取る)
- 既定の救済オプションは?(黄:①②/赤:①②③)
- ドロップゾーンがローカルルールで用意されていないか?
- 「事実上確実(KVC)」にエリア内と判断できるか?(できないなら「紛失球」扱いの可能性)
黄色ペナルティエリア(黄杭)|手順(1打罰)
黄色は2択のみ。いずれも最後に横切った地点を起点にします。
① ストローク&ディスタンス(打ち直し)
- 直前のストローク地点に戻る(ティー、フェアウェイ、ラフなど)。
- ボールをプレース or ティーアップ(ティーイングエリアに限る)。
- 1打罰を加え、次打を行う。
② バック・オン・ザ・ライン
- ホールと最後に横切った地点を結ぶ直線上のどこでも後方に下がれる。
- その線上にボールをドロップし、落下点から1クラブレングス内に止まればインプレー(膝の高さから)。
- 上記が満たせなければ再ドロップ(必要ならプレース)。
赤色ペナルティエリア(赤杭)|手順(1打罰)
赤は黄色の2択に加え、③横方向救済(2クラブレングス)が選べます。
③ 横方向救済(2クラブレングス)
- 最後に横切った地点を基準点とする。
- そこからホールに近づかない2クラブレングスの半円状エリア(同一エリア内)にドロップ。
- ボールはその救済エリア内に止まること。
「見つからない」けれどエリア内が“事実上確実(KVC)」な場合
ボールが見つからなくても、ペナルティエリア内にあることが事実上確実(KVC)ならその前提で救済を選択可。KVCではない(外にもあり得る)場合は紛失球(3分)→ストローク&ディスタンスで処理します。
暫定球(プロビジョナル)の可否
ペナルティエリア内にしか無さそうな場合は暫定球は不可。外やOBの可能性がある時のみ、暫定球を宣言してプレーできます。なお、ローカルルールB-3を採用している競技では、ペナルティエリア用の暫定球を許可する場合があります(まれ)。
ペナルティエリア内で「できること/できないこと」
- できる:そのままプレーする/クラブを地面につける(ソール)/ルースインペディメントの除去。
- できない:エリア内の異常なコース状態や固定物(カート道など)からの無罰救済は不可(救済は有料=1打罰で外へ)。
ノープレイゾーン(NPZ)が絡むケース
ペナルティエリアの一部がノープレイゾーンに指定されている場合、そのまま打つことは禁止。必ずペナルティ救済(赤:①②③/黄:①②)を取ります。スタンスやスイングがNPZにかかるだけでも同様です。
ドロップの正しいやり方(全オプション共通)
- 膝の高さから真下にドロップ(自分 or パートナーが実施)。
- ボールは救済エリア内に落ちて、救済エリア内に止まる(バック・オン・ザ・ラインは線上に落とし、落下点から1CL内に止まる)。
- 外れたら再ドロップ→必要ならプレース。
早見表|赤と黄の違い・よくある勘違い
項目 | 赤(赤杭) | 黄(黄杭) |
---|---|---|
選べる救済 | ①S&D ②後方線上 ③横方向2CL | ①S&D ②後方線上 |
反対側救済 | 原則不可(ローカルB-2採用時のみ) | ― |
ドロップゾーン | ローカルE-1で追加される場合あり(ドロップゾーンに“落ちて止まる”) | |
暫定球 | ペナルティエリア内にしか無さそうなら不可(外/OBの可能性があるなら可) | |
地面にソール | 可(条件改善は禁止) | |
無罰救済 | エリア内の固定物・一時水等から無罰救済は不可 |
よくある質問(FAQ)
- 「最後に横切った地点」はどうやって決める?
- 弾道・落下音・同伴者の目撃などから合理的に推定し、グループで合意します。誤りに気づいたら修正が必要です。
- 色が分からない杭・線はどう扱う?
- コースのローカルルールに従います。一般に色が示されない場合は赤として扱う運用が多く、競技では掲示を要確認。
- 見つからないが池に入ったのは確実。どうする?
- KVCならボールが無くてもペナルティ救済可。KVCでない場合は紛失球(3分)→S&Dで処理します。
- 赤の反対側にドロップして良い?
- 原則不可。ローカルルールB-2が採用されている競技・コースのみ可です。
- 池の中からそのまま打っても良い?
- 可。地面にソールしてもOKですが、ライを改善する行為はNGです。