グリーン上で他人のライン(パットの通り道)に自分のボールやマーカーがかかる時は、マーカーを一時的にずらすのがマナーです。
本記事では、方向の伝え方、ワンパター(パターヘッド1個分)の具体手順、戻し忘れ防止のルーティン、OK/NG、60秒フローまで、ラウンド中に迷わない台本としてまとめます。
目次
まず結論(30秒サマリー)
- 基本:他人のラインにかかるときはマーク→ずらす→必ず戻す。距離はワンパターが分かりやすい。
- 方向の伝え方:「◯◯方向にワンパターお願いします」/「旗の方向にツー」など、方向+回数で明確に。
- 戻し忘れ防止:声に出す「戻します」+視覚のしるし(マーカーの向き/ティー)+構え前の指差し確認の3段ブレーキ。
- ルール要点:グリーン上でボール/マーカーを誤って動かしても原則無罰。ただし元位置に必ず戻す。戻し忘れのプレーは誤所扱い。
グリーンでの“マーク”の基本
- 置き方:ボールのすぐ後ろに平たいマーカー(コイン等)を置いてからボールを拾い上げます。
- 掃除・向き直し:グリーン上のボールは拭いてOK。向きを合わせて元の位置に必ずリプレース。
- 動いてしまったら:自分や風でマーカー/ボールが動いても無罰(グリーン上)。元の位置に戻すのが原則です。
“ずらし”のやり方(ワンパター/ツーパターの実行手順)
他人のラインにかかる場合、方向+回数でやり取りし、パターヘッドの幅を基準に動かすのが最も分かりやすいです。
声掛けテンプレ(お願い側)
- 「旗(ピン)方向にワンパターお願いします。」
- 「12時方向にツー(2パター)お願いします。」
- 「バンカー側にワンでお願いします。」
声掛けテンプレ(応じる側)
- 「旗方向にワンですね。戻しますので声かけてください。」
- 「12時にツー、了解です。後で戻します。」
実行の手順(ワンパターの例)
- 元の位置にマーク(ボールの直後)。
- パターのヘッドをマーカーの手前に置き、ヘッドの幅ぶんだけマーカーを横へスライド。
- ツー(2パター)ならもう一度同じ幅だけ動かす。
- 自分の番が来たら必ず逆順に戻す(ツー→ワン→元位置)。
“ワンパター”はルール上の公的な単位ではありませんが、現場で共有しやすい目安です。誤解を避けるため、方向の目印(旗・バンカー・木・「12時方向」等)を必ずセットで伝えましょう。
“戻し忘れ”をゼロにする三段ブレーキ
- 言葉のブレーキ:他人のパットが終わったら「戻します」と口に出す(同伴者も声かけ)。
- 見た目のブレーキ:ずらしたマーカーの向きを変える/ティーを進行方向に寝かせて置くなど、視覚のしるしを作る。
- 動作のブレーキ:自分が構える前に指差し確認(「元の位置OK」)。ルーティン化しておけば忘れません。
マナーとプレーファストのコツ
- 最小限だけ動かす:本当にラインにかかる分だけ。必要以上に遠くへ動かさない。
- 準備を並行して:同伴者のライン確認中に戻す準備まで済ませる(プレーファスト)。
- ラインを踏まない:移動時は他人のラインをできるだけまたぐ/避ける。
OK/NG早見表
| 行動 | OK/NG | ポイント |
|---|---|---|
| 方向+回数で明確に伝える(例:旗にワン) | OK | 誤解を防ぎ、全員の共通認識になる |
| パターヘッド幅で“ワン/ツー”を測る | OK | その場で誰でも再現しやすい |
| 「戻します」と声に出し、視覚のしるしも置く | OK | 三段ブレーキで戻し忘れゼロへ |
| 方向を曖昧に「右にワン」だけ伝える | NG | 左右の基準が人により違う。目印で指定 |
| 戻し忘れたままパットしてしまう | NG | 誤所プレーのリスク。必ず元位置へ |
現場の60秒フロー(迷ったらこれ)
- 10秒:ラインにかかるかを確認(かかるなら“方向+回数”を宣言)。
- 15秒:ワン/ツーの実行(パターヘッド幅でずらす)。
- 15秒:視覚のしるしを置く(マーカーの向き/ティー)。
- 10秒:自分の番で「戻します」→逆順で戻す。
- 10秒:指差し確認→パット(プレーファスト)。
よくある質問(FAQ)
- Q. 「ワンパター」は正式な単位ですか?
- A. いいえ。現場で共有しやすい便宜的な目安です。誤解を避けるため方向(旗・12時など)+回数で明確に伝えましょう。
- Q. ずらした位置のままパットしたら?
- A. 元の位置に戻さずプレーは誤所扱いになり得ます。必ず逆順で元位置に戻してからプレーしてください。
- Q. マーカーやボールがグリーン上で偶然動きました。
- A. 原則無罰です。元の位置に戻してください(正確な位置が不明なら推定)。
- Q. 方向の伝え方で迷います。
- A. 「旗方向にワン」「12時方向にツー」「バンカー側にワン」など、目印+回数で統一すると誤解がありません。
- Q. 他人のラインに“かかりそう”な場合も動かす?
- A. 迷うなら少なめ(ワン)だけ動かすのが無難です。必要以上に遠くへは動かさないのがマナーです。