冬季のプレファードライアイキャッチ

ゴルフのプレファードライ(冬季ローカルルール)|手順とやってはいけないこと

プレファードライは、冬季や悪天候で地面の状態が悪いときに、球をいったん拾い上げて定められた範囲内で置き直せる(リプレースできる)ローカル運用です。この記事では、どこで・どのくらい動かせるか(対象区域と距離)、正しい手順、そしてやってはいけないことを、テキストだけで分かりやすく整理します。

プレファードライとは|“その日・そのコース”だけで有効な特別運用

プレファードライはローカルルールとして掲示されたときにだけ効力を持つ臨時運用です。ゴルフ規則を置き換えるものではなく、フェアネスとコース保全を目的に、委員会(コース側)が期間や対象区域、許容距離を指定します。掲示がなければ適用できません。

どこで確認する?|掲示・カード・カート端末

スタート前にスコアカードのローカル欄・クラブハウス掲示・カート端末を確認しましょう。文面には通常、次の4点が書かれています。

  • 対象区域:例「フェアウェイ刈り高以下(ホールに属する区域のみ)」
  • 許容距離:例「6インチ(15cm)/1スコアカード長/1クラブレングス」
  • 期間・条件:例「冬季期間」「悪天候時のみ」
  • 手順マーク→拾い上げ→拭く→置く(リプレース)、ホールに近づかない、同一区域内

適用条件(だれ/どこ/どれだけ/どうやって)

混乱しやすいポイントを4条件で押さえましょう。掲示に上書きがあれば掲示が最優先です。

  • だれ:その日のラウンドのすべてのプレーヤー(競技なら参加者全員)
  • どこ:多くはフェアウェイ刈り高以下(そのホールに属する区域)。ラフ/バンカー/ペナルティエリア対象外が基本
  • どれだけ:掲示の距離(例:6インチ/1カード/1クラブ)以内ホールに近づかない、同一の区域内
  • どうやって:マーク→拾い上げ→拭く→置く(リプレース)ドロップではない

正しい手順(マーク→拾い上げ→拭く→置く)

  1. 球の後方または横をマーク(コイン等)。※マークせず拾うと1罰のリスク
  2. 拾い上げ、泥や芝を拭き取ってOK
  3. 掲示距離内・同一区域内・ホールに近づかない場所を選ぶ
  4. 置く(リプレース)。置いた瞬間から球はインプレー
  5. 置いた位置に静止しないときは、最も近い静止する位置(ホールに近づかない)に置く

プレファードライは“ライ改善が認められる特例”ですが、枠外に出ると誤所プレーになり一般の2罰(ストロークプレー)の対象になり得ます。

OK/NG早見表

行為OK/NG理由・補足
フェアウェイ内で6インチ以内に置き直すOK掲示どおりなら可。ホールに近づかない/同一区域
ラフからフェアウェイへ移すNG区域が異なる/対象外区域
置く代わりにドロップするNGプレファードライは置く(リプレース)が原則
マークせずに拾い上げるNG手順違反(1罰)の可能性
置いた後に風で転がった(グリーン外)OK(その位置から)一般区域では自然で動いた球はその位置からプレー(例外あり)
グリーン上の泥を拭いて置き直すOKグリーン上はもともと拭いてリプレース可(ローカルなしでも)

ありがちな場面と判断のコツ

  • フェアウェイ端のギリギリ同一区域内が条件。境界をまたがない置き場所を選ぶ
  • 泥だらけの球拭いてOK。ただし掲示距離内近づかない同一区域を厳守
  • 芝が剥げた埋まったような状態:プレファードライが有効なら置き直し。対象外区域なら無罰救済(埋まった球)の要件を確認
  • 同伴者と距離トラブルカードの長さを目安にし、疑義はマスター室の指示に従う

競技での注意(ペナルティと誤所プレー)

競技では掲示の文言(対象区域・距離)が厳密に適用されます。枠外で置いた/区域を越えた場合は誤所からのプレー(一般の2罰)の可能性があります。
疑問があればまず通常のライでプレー可能かを検討し、必要なら同伴競技者と合意→委員会確認の流れで安全に進めましょう。

現場の60秒フロー

  1. 掲示確認:対象区域/距離/期間/手順
  2. 位置判定:自球が対象区域内か
  3. 手順実行:マーク→拾う→拭く→置く(近づかない/距離内/同一区域)
  4. リスタート:置いた瞬間インプレー。迷ったら同伴者と共有

よくある質問(FAQ)

許容距離が「1クラブレングス」でもOK?
掲示どおりならOKです。距離はコースが指定します(6インチ/1カード長~1クラブなど)。
マークし忘れて拾ってしまった。
手順違反(1罰)の可能性があります。以降は正しい手順でリプレースしてください。
ラフの球もプレファードライできる?
多くの掲示ではフェアウェイ刈り高以下のみ。ラフは対象外が一般的です。
置いたボールが芝目で止まらない。
その位置に静止しない場合は、最も近い静止する位置(ホールに近づかない)へ置きます。


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