グリーン外からのパターアイキャッチ

グリーン外からパターは正解?【ゴルフ】カラー・花道での使いどころと距離感の作り方

カラーや花道からパターで転がすか、ウェッジで上げるか。迷ったときの鍵は、芝丈(抵抗)段差傾斜距離の4点です。
本記事は、使いどころの判断基準距離感の作り方打ち方のコツと、ライ別の実行台本をまとめた“現場で迷わない”ガイドです。

まず結論(30秒サマリー)

  • 道があればパターが安全芝丈が短い・平坦・障害なしならパター有利。上げ下げや前後のミスが小さい。
  • 段差・長いカラーは慎重に:刈高差の段差カラー3m超失速や跳ねが出やすく、ウェッジ/UT転がしが有利な場面が増える。
  • 距離感の目安:「カラー1m=グリーン上2〜3mぶんの強さを上乗せ」※あくまで目安。芝質・湿りで調整。
  • 規則の注意:カラーはグリーン外=ジェネラルエリアマークして拭く/向き替えは基本NG(救済時などを除く)。ピンを差したままでもOK。

使いどころの判断基準(4つのチェック)

  1. 芝丈(抵抗)短い・乾いている・硬い=パター有利。伸びている・湿っている=ウェッジ/UT転がし検討。
  2. 段差:カラー→グリーンの刈高差が段差になっていると、パターは跳ねや失速。越えるキャリーが必要なときは上げる。
  3. 傾斜と逆目:上り&順目=パター向き。下り&逆目=失速しにくいが加速に注意。
  4. 距離:カラー〜カップが5〜15mの“長いパット域”は、3パットのリスクと天秤に。安全サイドは「手前から」

距離感の作り方(カラー係数の目安)

カラーや花道は抵抗が大きいため、グリーン上と同じストロークだと手前ショートになりがちです。

  • 目安式:必要な強さ ≒ グリーン上の強さ+(カラー長 × 2〜3m相当)
    例)「カラー1.5m+グリーン5m」なら、約8〜9.5m相当の強さをイメージ。
  • 調整ポイント:湿り・芝密度が高いほど“+側”に振る。下りは控えめ、上りは多め。
  • 素振り:カラー上で2〜3回、抵抗を体で覚える(球の真後ろは避ける)。

あくまで目安です。数値を鵜呑みにせず、当日の速さで調整しましょう(距離感の整え方参照)。

打ち方のコツ(フォームと接地)

  • 構え:スタンスやや狭め、グリップ短め。ボール位置は中央〜わずかに左で順回転。
  • 入射:わずかにハンドファーストで、芝に負けない“やや押す”ストローク。フェース管理を最優先。
  • ロフト管理:強打で跳ねが出るなら、フェースを立てすぎない意識で滑らせる(叩かない)。
  • ピンの扱い:下りはピンインのままが止まりやすい場面あり(組で統一)。

シチュエーション別の台本

① カラー短め・平坦(段差なし)

パター推奨。目安式で強さを上乗せ→カップ手前50cmの減速をイメージ。

② カラーが長い(3m以上)

パターは失速リスクUT転がし/8Iのランニングで“カラーを突破→グリーンで止める”。

③ 刈高差の段差(エッジの段)

段差を越える最小キャリーが必要。8I〜PWのチップか、UT転がしでクリア。

④ 下りの速いライン

パターでもOKだが、ピンインソフトタッチで。3パット回避を最優先。

⑤ 逆目・湿り(抵抗大)

パターで強さを大きく上乗せ。迷うならUT/8Iに切り替え。

規則の豆知識(実務で迷わない範囲で)

  • カラーはグリーン外(ジェネラルエリア)。マークして持ち上げる・拭く・向きを替えるのは原則不可(救済時などの例外を除く)。
  • 旗(ピン)に当たっても無罰(どこからのストロークでも)。ピンイン/ピンアウトは状況で選択。
  • グリーンの損傷修復はOKだが、グリーン外では基本不可(芝目やライの改善はNG)。

OK/NG早見表(パターの使いどころ)

状況/行動OK/NG理由
カラー短め・平坦→パターOKミスの幅が小さく、再現性が高い
カラー3m超・段差あり→UT/8IOK抵抗・跳ねを回避できる
距離感=「カラー係数」で上乗せOKショートを防ぎやすい
カラーでマークして拭く/向き替えNGグリーン外は原則不可(救済時など除く)
段差に強打して跳ねさせるNG方向性が乱れやすい。最低限のキャリーで越える

現場の60秒フロー(迷ったらこれ)

  1. 10秒:芝丈・段差・傾斜・距離を確認。
  2. 15秒:「パターで道があるか?」を判定(障害・段差がなければパター)。
  3. 15秒:距離感=グリーン上の強さ+カラー係数で設定。素振り2〜3回。
  4. 10秒:下りはピンインも検討、フェース管理最優先。
  5. 10秒:段差/長いカラーならUT/8Iへ即切替。

チェックリスト(練習と本番)

  • [ ] カラー1〜3m→距離感の上乗せを練習場で再現(マット端→狙い目印)
  • [ ] 8I/UTの転がしを1本決めておく(振り幅・落とし所)
  • [ ] 段差越えの最小キャリー練習(ティー1本を段差に見立てる)
  • [ ] パターのグリップ短め押し出す感覚を確認

よくある質問(FAQ)

Q. どのくらいのカラー長でパターを諦めるべき?
A. 目安は3m超。段差や湿りがあるほどパターは不利で、UT/8I転がしのほうが安全です。
Q. カラーで球を拭いて向きを合わせたい。
A. カラーはグリーン外なので原則不可です(救済など例外を除く)。向きを合わせたいならグリーンに乗ってから行いましょう。
Q. 下りの速いラインでパターが怖い。
A. ピンインで止まりやすくなることがあります。ストロークは短く・ソフトに。
Q. どの番手で“転がし”を練習すべき?
A. まずは8I(またはPW)とUTの2パターンを決め、落とし所振り幅を固定すると実戦で迷いません。