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雨の日のゴルフ:ルール&マナー完全ガイド|テンポラリーウォーターとプレファードライの使い方



雨の日のゴルフ:ルール&マナー完全ガイド|テンポラリーウォーターとプレファードライの使い方

雨天時はルール判断段取りで差が出ます。テンポラリーウォーター(旧称:カジュアルウォーター)無罰救済、ローカル運用のプレファードライ(E-3)グリーン上のOK/NGバンカーでの選択肢プレーファストのコツまで、初心者でも迷わないように整理しました。

まず結論(要点の先取り)

  • テンポラリーウォーター=地表に溜まった水。無罰で救済できる(区域別の手順は後述)。
  • プレファードライローカルルール(E-3)。当日の掲示がある時だけ、フェアウェイの球を持ち上げて拭き、所定の距離内にプレースできる。
  • グリーン上水溜り=救済OKだが、露・霜・水を拭き取るのはNG。ピッチマーク修復はOK。
  • バンカーはまず中で無罰救済。どうしても無理なら1罰で外へ(後方線上)。
  • 安全最優先。雷・強風は無理をしない。雨天こそReady Golf役割分担で時短。

テンポラリーウォーターの判定と救済(区域別)

テンポラリーウォーターは、地表に水が溜まり足跡がにじむ/球の周囲に水がにじむ状態が目安。露や霜、地面が濡れているだけは該当しません。
無罰救済の基本はニアレストポイント(完全救済)1クラブレングス以内(ホールに近づかない)でドロップまたはプレースです。

ジェネラルエリア(フェアウェイ/ラフ)

  • 無罰救済:水の干渉が完全に消える最も近い点(GA内)を基準に、1クラブ以内ドロップ
  • 拾い上げ時は清掃OK。救済エリア外に止まったら再ドロップ

バンカー

  • 無罰救済:まずはバンカー内で完全救済。無理なら最大限の救済(最も浅い所)を基準点にドロップ
  • それでもプレー困難なら、1打罰後方線上によりバンカー外へ出す選択肢。

パッティンググリーン

  • 無罰救済完全救済の基準点(グリーン or GA)にプレース(置く)。完全救済が無理なら最大限の救済でプレース。
  • 注意:露・霜・水を拭き取ることはNG(状況の改善)。砂の除去・損傷修復はOK。

ペナルティエリア(赤/黄)

  • 原則:PA内のテンポラリーウォーターは無罰救済の対象外PAの救済(1罰)を選ぶ。

プレファードライ(ローカルE-3:いわゆる冬季ルール)

雨やぬかるみでの進行・保護目的に、コース(委員会)が当日採用するローカルルールです。掲示がない日は使えません。

  • 対象区域:通常はジェネラルエリアのうち、フェアウェイの芝地に限る(ラフ・バンカー・グリーンは対象外)。
  • 手順:マーク → 拾い上げ → 清掃OK → 所定距離(例:6インチ/15cm)内でホールに近づかずプレース
  • 距離・方法は掲示が最優先(6インチ/15cm/1クラブなど)。
  • 注意:掲示がない場合、泥だらけでも原則はそのまま。清掃は救済・識別・干渉球の拾い上げ時などに限る。

グリーン上の雨対策|OKとNG

項目OK/NGポイント
水溜りでの救済OK完全救済の基準点プレース(無罰)。完全救済不可なら最大限の救済
露・霜・水を拭き取るNG状況の改善に該当。ピッチマーク修復・砂の除去はOK
旗竿の扱いOK立てたまま/抜くは自由。当たっても無罰

雨天のプレーファスト&マナー(段取りで時短)

  • 役割分担:傘係・ピン係・拭き係(グリップ/フェース)を自然に分担。
  • クラブ2〜3本持参:番手迷いで往復しない。Ready Golfで安全に先行。
  • ライン配慮:グリーン上は人のラインを踏まない。スタンスは最小限。
  • 安全第一:雷・突風・強雨は無理をしない。係員の指示に従う。

雨用の持ち物チェック(最低限でOK)

  • レインウェア(上下):動きやすい薄手+止水ファスナー推奨。
  • レイングローブ(両手):濡れるほどグリップするタイプが便利。
  • タオル2〜3枚グリップ用体・雨具用を分ける。
  • 替え手袋&靴下:ハーフで交換できると快適。
  • キャップ/バイザー+撥水キャップカバー:視界の確保。
  • 傘+クラブを立て掛けない工夫:カートフックや同伴者の手助けで地面に置かない。

実戦ケース(場面別の正解)

  • フェアウェイに水が浮く:ニアレストポイント(完全救済)→1クラブ以内にドロップ(無罰)。
  • バンカーが池状態:まずバンカー内で無罰(最も浅い所)。どうにもならない→1罰で後方線上により外へ。
  • グリーンの水溜りでライン塞がる:完全救済の基準点プレース。無理なら最大限の救済
  • コース掲示に「プレファードライ(6インチ)」:マーク→拾い上げ→清掃→6インチ以内でプレース(ホールに近づかない)。
  • ラフで泥だらけ・掲示なし:原則はそのまま。救済を使える要素(テンポラリーウォーター等)がないか確認。

OK/NG早見表

行為OK/NGポイント
フェアウェイの水溜りから無罰救済OKニアレストポイント1CLドロップ
PA内の水溜りから無罰で外へNGPAは原則無罰救済なし。外へはPA救済(1罰)
グリーンの露・水を拭いてからパットNG状況の改善。水溜りは救済で対応
プレファードライで拾い上げて清掃OK掲示がある時のみ。指定距離内プレース
掲示なしでも泥球を拾って拭くNG原則は不可(識別・救済などの例外時のみ清掃可)

判断フロー(60秒で迷わない)

  1. 掲示確認:今日はプレファードライあり? ドロップゾーンや前進4打は?
  2. 区域判定:GA/バンカー/グリーン/PAのどこ?
  3. テンポラリーウォーターの有無:足跡にじむ? 球周りに水が浮く?
  4. 処置:GA=NP→1CLにドロップ/グリーン=基準点にプレース/バンカー=中で無罰→無理なら1罰で外
  5. 時短策:Ready Golf・役割分担・クラブ複数持参。

よくある質問(FAQ)

Q. 「水が浮いているか」の判断が難しいです。
A. 足を置いて水がにじむ・球の周りに水が浮くならテンポラリーウォーター。単に濡れているだけや露・霜は対象外です。
Q. プレファードライはいつでも使えますか?
A. いいえ。当日のローカル掲示がある時だけ。ない日は原則どおりプレーします。
Q. グリーン上で水溜りです。どこに置けば?
A. 完全に干渉が消える最も近い点(ホールに近づかない)にプレース。取れないなら最大限の救済を基準点に。
Q. バンカーが水浸しで打てません。
A. まずバンカー内で無罰救済(最も浅い所)。どうしても無理なら1罰で後方線上により外へ出す選択肢があります。
Q. 泥球を拭いても良いですか?
A. プレファードライ採用時はOK(掲示距離内でプレース)。採用がない日は、救済で拾い上げた時識別のために拾い上げた時などに限り清掃可能です。