日本のコースでは二つグリーンのホールが多く、使用しない方を一般にサブグリーンと呼びます(規則上は誤グリーン/Wrong Green)。
サブグリーン上の球は打ってはいけないのが大原則。球がサブグリーンにある、またはスタンスやスイングがサブグリーンに掛かるときは、無罰で必ず救済します。この記事では正しい救済手順とやりがちな勘違いを、テキストだけで分かりやすく解説します。
目次
サブグリーン(誤グリーン)とは?|用語の整理
サブグリーンは、そのホールで使用していないグリーンの通称。規則用語では誤グリーンといい、そのホールのパッティンググリーン以外のすべてのグリーンを指します。誤グリーンはコースの「ジェネラルエリア」に属する点がポイントです(正規のグリーンだけが「パッティンググリーン」)。
“必ず救済”になる条件(打ってはいけない場面)
次のいずれかに当てはまると必ず救済。そのまま打つことはできません。
- 球がサブグリーン上(または縁の内側に触れている)。
- サブグリーンがスタンスやスイングに物理的に干渉する(球が外でも該当)。
救済にならない例:
- ライン上にサブグリーンが見えるだけ(ライン救済は不可)。
- 不自然な打ち方や方向を選んだことで干渉が生じる(明らかに不合理な選択による干渉は救済不可)。
正しい救済手順|基準点→1クラブレングスでドロップ
救済は無罰で行います。流れは次の3ステップです。
- 基準点(最近接の完全救済点)を決める:
サブグリーンの干渉が完全に消える最も近い点で、ホールに近づかない位置。基準点はジェネラルエリア内でなければなりません。 - 救済エリアを測る:基準点から1クラブレングス以内、ホールに近づかない範囲。救済エリアもジェネラルエリアに限られます。
- 膝の高さから真下にドロップし、球が救済エリア内に止まることを確認。出たら再ドロップ→それでもダメならプレース(置く)。
基準点の先がラフや傾斜でも、最も近い地点が正解。良いライを選ぶことはできません。
OK/NG早見表
| 状況 | OK/NG | 要点 |
|---|---|---|
| 球がサブグリーン上にある | NG(必ず救済) | 基準点→1クラブ内にドロップ(無罰) |
| 球は外だが、スタンスがサブグリーンに掛かる | NG(必ず救済) | スタンス・スイングの物理干渉も対象 |
| ライン上にサブグリーンがあるだけ | 救済なし | ライン救済は不可(不合理な選択による干渉も不可) |
| 救済でグリーン上へ置きたくなる | 不可 | 基準点・救済エリアはジェネラルエリア限定 |
ありがちケース&正解
- “カラー”に球、スタンスがサブグリーンへ:カラー(エプロン)はジェネラルエリア。スタンスがサブグリーンに掛かるなら救済必須。
- 二つグリーンの間のラフに球:基準点がラフ側でもOK。近い方を優先(ライは選べない)。
- サブグリーン上の球をウェッジで“ちょん”:規則違反。打ってはいけないため、誤所からのプレーで一般の罰(ストロークプレーは2罰打)。
現場の60秒フロー
- 干渉判定:球がサブグリーン上/スタンス・スイングが掛かる?
- 基準点確定:干渉が完全に消える最も近い点(GAで・近づかない)。
- ドロップ:膝の高さ→救済エリア内で静止。
よくある質問(FAQ)
- 「サブグリーン」と「誤グリーン」は同じ?
- 実務でよく使う呼び名がサブグリーン、規則上の正式用語が誤グリーン(Wrong Green)です。意味は同じです。
- カラー(エプロン)はサブグリーン?
- いいえ。カラーはジェネラルエリアです。サブグリーンの縁の内側にある部分だけが誤グリーン扱いになります。
- ライン上にサブグリーンがあるだけでも救済できる?
- できません。球が乗っている/スタンス・スイングが掛かるときだけ救済対象です。
- 基準点はフェアウェイ側を選べる?
- 選べません。「最も近い完全救済点」が原則で、そこがラフでもディボットでもそれが正解です。