雨ゴルフは滑りと冷えとの戦い。道具の選び方以上に、運用の型がスコアを左右します。本記事は、レイングローブ/タオル/レインウェア/シューズを中心に、準備→18ホール運用→片付けまで実務に落とし込んだ“濡れても崩れない”ためのギア活用法です。ルール面は雨の日のルール&マナーを合わせてご覧ください。
目次
まず結論(30秒サマリー)
- レイングローブは“両手”+交換用:雨用は濡れてグリップが上がる設計が多い。左右とも装着で握力分散。
- タオルは最低3枚:グリップ専用(絶対に濡らさない)/クラブ拭き/体・雨具で役割分担。1枚はフード内、1枚は傘の内側に。
- レインウェアは“動ける×蒸れにくい”:目安は耐水圧10,000mm以上・透湿10,000g/m²/24h、ベンチレーションと袖口調整が効くもの。
- シューズ&靴下は防水+替え:ハーフで靴下を交換。レインパンツの裾はシューズに被せる。
- 傘・フード・カバー類を“置き場化”:フード内=ドライゾーン、傘の内側=作業台。濡れ物は外ポケット固定。
スタート前のパッキング|“濡れないゾーン”を作る
- キャディバッグのフードを常時装着し、内部をドライゾーン化。グリップ専用タオルと乾いた替えグローブ類はフード内に。
- ジップロック(Lサイズ)×3:乾いた手袋用/スマホ・スコア用/乾いたタオル保管。
- カラビナでタオルを2点吊り:1枚を傘の骨の内側にクリップ、もう1枚をバッグ側面に。
- 濡れ物回収袋(大きめビニール or ドライバッグ)を外ポケットに常備。ハーフターンで素早く入れ替え。
- スコア・鉛筆・マーカーは防水ポーチへ。プレーファストのためにも道具の定位置化を。
レイングローブの使い分け(両手運用が基本)
- 両手装着+予備:片手より左右の圧が均等で力みにくい。予備はジップロックで乾いたまま保管。
- 濡れるほどグリップが上がる設計が多い。逆に中途半端に乾いた状態は滑りやすいことがあるので、濡れたら躊躇なく濡れグローブ運用に切り替え。
- 通常グローブへの戻しどき:雨脚が弱まり、グリップと手が完全ドライを作れる状況になったら。
- 保温と感覚:寒い日はインナー手袋+レイングローブで保温。ただし厚着で握りが太くなりすぎないよう注意。
タオル3枚体制(役割分担で迷いゼロ)
| タオル | 置き場所 | 用途 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| A:グリップ専用 | フード内(完全防水) | グリップ・手を拭く | 絶対に濡らさない。使用後はすぐフードに戻す |
| B:クラブ拭き | 傘の内側にクリップ | フェース・シャフト・雨粒の除去 | 多少濡れてもOK。常に取りやすい位置に |
| C:体・雨具 | バッグ側面 | 袖口・キャップ・レインウェアの水切り | グリップには使用しない |
小さめのマイクロファイバーは吸水・速乾に優れ、ポケットインの“手指専用”としても便利です。
レインウェアの選び方(動ける×蒸れない)
- 耐水圧×透湿の目安:10,000mm以上 × 10,000g/m²/24h。本降りや長時間ラウンドなら上位を検討。
- 可動域:肩まわりの立体裁断/ストレッチ/肘・腰のつっぱり感がないか。素振りで突っ張らないこと。
- 蒸れ対策:ベンチレーション(脇・背中)、止水ファスナー、袖口の二重フラップ。
- レイヤリング:肌面は速乾インナー→薄手ミドラー(必要時)→レイン。コットンNG(濡れて冷える)。
- キャップ&フード:撥水キャップ or カバーで視界確保。フードは音と視界のバランスで使い分け。
シューズ・靴下・足元の実務
- 防水シューズを前提に、スパイク鋲の摩耗を事前チェック。滑る日はスタンス幅を5〜10cm広く。
- 靴下は替え2足:ハーフで1回交換。素材はウール混 or 吸汗速乾。
- 裾の重なり:レインパンツの裾をシューズに被せる(逆だと浸水)。
- ラウンド後:インソールを外し、中に紙 or 乾燥剤。シューズは風通しの良い場所で陰干し。
傘・フード・カバー類の“置き場化”テク
- 大きめ傘(ダブルキャノピー等)でバッグ上部を覆う。傘の内側にタオルBを固定→“拭き→打つ”の動線が短い。
- フード内=ドライゾーン:乾いたグローブ・タオルA・スコアを集約。開閉を最小化して内部を乾いたまま維持。
- ヘッドカバーは外しっぱなし+タオルBで覆うと出し入れ短縮。ラウンド後に完全乾燥。
クラブ/ボールの濡れ対策(結果を左右する小技)
- フェースと溝を毎回拭く:特にウェッジは溝の水膜でスピンが激減。ショートしやすいと心得る。
- 番手は1〜2つ上げる:キャリー短縮+転がり減少。無理な高弾道は避け、低め&厚めのコンタクトを意識。
- パターはフェース→ボール→グリップの順にサッと拭く。グリーン上は救済の可否も選択肢に。
18ホール運用(タイムラインで最適化)
- ティー前:レイン着脱チェック/傘とタオル配置/レイングローブ装着。
- ティー上:クラブ2〜3本持参。傘の内側でフェース→グリップの順に拭いてから打つ。
- フェアウェイ:移動中にタオルBでクラブを拭き、タオルAで手とグリップを仕上げる。
- グリーン:旗竿の扱いは自由。ラインには配慮しつつ、Ready Golfでテンポを維持。
- ハーフ休憩:靴下交換/タオルの再配置/濡れ物を回収袋へ。
よくある失敗(やりがちNG)
- タオル1枚で全対応 → ×:役割分担が崩れ、グリップ専用が濡れて終わる。
- 片手だけ雨用 → ×:握力が偏り力む。両手+予備が基本。
- コットンの中間着 → ×:濡れて冷え、動きも鈍る。速乾レイヤーに。
- レインパンツの裾がシューズの中 → ×:浸水の元。上から被せる。
- ヘッドカバーの付け外し多発 → ×:時間ロス+濡れ拡大。外しっぱなし+タオルで覆うへ。
持ち物チェック(雨予報版・ミニ)
- レイングローブ(両手)+予備/通常グローブ
- タオル3枚(A:グリップ/B:クラブ/C:体・雨具)+小型速乾タオル
- レインウェア(上下)・撥水キャップ or カバー
- 防水シューズ・替え靴下×2
- ジップロック×3・濡れ物回収袋・乾燥剤
- 替えの着替え一式(入浴後用)
OK/NG早見表
| 項目 | OK/NG | ポイント |
|---|---|---|
| レイングローブを両手で使う | OK | 握力分散+滑り低減。予備はジップロックで保管 |
| グリップ専用タオルをフード内に常設 | OK | “絶対に濡らさない”ルールで品質維持 |
| レインパンツの裾をシューズに被せる | OK | 浸水を防止 |
| コットンの中間着 | NG | 濡れて冷える。速乾レイヤーへ |
| ヘッドカバーを都度付け外し | NG | 時間ロス。外しっぱなし+タオルで覆う |
よくある質問(FAQ)
- Q. レイングローブは濡らして使うのですか?
- A. 多くの雨用モデルは濡れてグリップ力が上がる設計です。中途半端に乾いた状態は滑りやすいこともあるので、濡れ運用に切り替えるか、乾いた通常グローブへ戻すかを状況で選びましょう。
- Q. タオルは何枚あれば安心?
- A. 最低3枚(グリップ専用/クラブ拭き/体・雨具)。小型速乾タオルが1枚あると手指用に便利です。
- Q. レインウェアの数字(耐水圧・透湿)の目安は?
- A. 目安は耐水圧10,000mm以上・透湿10,000g/m²/24h。本降りや長時間のラウンドは、数値が高いものやベンチレーション付きが快適です。
- Q. 雨の日は何番手上げますか?
- A. ライや風で異なりますが、1〜2番手上げるケースが多いです。濡れたフェースはスピンが減ってショートしやすい点に注意。
- Q. ラウンド後のシューズケアは?
- A. インソールを外して紙や乾燥剤を入れ、風通しの良い場所で陰干し。革は表面の水分を拭き取ってから保革。